こんにちは。サービスマネジメント部の小川です。
現在は八清がプロデュースする京町家の一棟貸し宿泊施設「京宿家」(=京町家の宿/町家レジデンスイン/京の片泊まり)の管理や、新規事業企画を中心とした業務に携わっております。
実は八清の社員の中でもっとも部署異動の経験が多く、1998年3月、短大卒業と同時に営業事務として入社後、工務部、暮らし企画部を渡り歩き、受付、営業事務、賃貸営業、インテリアコーディネーター、web制作、工事監理、設計監理、不動産営業等、様々な業務に関わらせて頂きました。
私が12歳の頃に思い描いた「インテリアコーディネーター」になるという夢は今日までの19年間の社会人人生の中で八清と共に実現することができたと感謝しております。
現在は「インテリアコーディネーター」と言うポジションは八清の業務の中にはありませんが、私がこれまで携わった業務の中で最も得意とする「インテリア」に焦点を当て、お話しさせて頂きたいと思います。
私が考えるインテリアコーディネーターの仕事とは
「インテリアコーディネーター(以下ICと言う)」と言っても、その範囲は様々で、例えば「有資格者の全て」をそうだと言えばものすごくたくさん居るし、「それを主な業務として生計を立てている人」と言えばほんの一握りなのかも知れません。
また、日本の一般的な住宅や店舗において、仕上げ材、ウィンドートリートメント (注1)、ファブリック、家具、照明器具などそれぞれの選定をICが担うのではなく、建築士(=建築家/設計士)が総合的に請け負うケースがスタンダードであるように感じています。
(注1)ウィンドートリートメントとは、カーテンやブラインドのように窓周りに施される器具の総称。
私自身、IC資格取得後、その社会的地位の低さを肌で感じ、ステップアップとして二級建築士を取得しました。
しかし、自身も建築士を取得した上で、様々な建築士の方と仕事をご一緒させて頂き、日本に建つ様々な家を見る中でICの役割(=私の役割=私の目指すところ)、必要性について考えるようになりました。
そしてその原点は、ICを目指す誰もが一度は目にしたことのある社団法人 インテリア産業協会発行のテキスト「インテリアコーディネーターハンドブック 販売編(現在は上巻)」にあります。
(前略)すぐれた感覚・感性を磨き、高い見識を持って業務にあたらなければならないのは言うまでもないが、(中略)基本的に顧客の意向を尊重して問題解決し、仮にそれが専門家としての感覚や意にそぐわないものになったとしても、決してコーディネーターにとって不名誉なことではない。
(平成13年1月1日 4版発行 インテリアコーディネーターハンドブック 販売編[改訂版] テキストから引用。文面のまま)
一言で表現するなら、「ICの役割は住空間におけるソフト面の整備」だと思います。
私が大切にしているのは、誰が見てもうっとりするほど美しい空間づくり、よりももっと奥の深い、そこで暮らす人が幸せを感じることができる空間づくり 。
これを体現させた住宅シリーズが、暮らし企画部時代に企画したプロジェクト「Sumica(住家)」です。
部署異動もあり、残念ながらVol.4が最後のSumicaとなりましたが、このシリーズを通して、ICとしての私自身の役割と家づくりに対するポリシーを再認識することができました。
この考え方は、企画の対象となる建物が家から宿泊施設にかたちを変えたとしても、大切にしたいと思っています。
失敗しないインテリアコーディネートの手法
さて、毎日の生活の中で、ふと気分を変えたい。と思った時に「そうだ!ICに依頼しよう!」と言う方は少ないと思います。
そこで、ご自身で空間づくりをされる際に便利な誰にでもできる簡単で素敵なインテリアコーディネートの手法をお教えしたいと思います。
テーマを決める
インテリア雑誌を開くと「北欧モダン」だとか「ジャパニーズモダン」だとか・・・はたまた「カントリー風」「クラシカルモダン」などなど、たくさんのインテリアイメージを表すワードを目にしますよね。
そう。ソレです。
まず、それを決めてしまうことです。それがご自宅のインテリアコーディネートの「軸」になります。
「え~。でもでも北欧モダンってどんなインテリアよ?」と思われたあなた、まぁ、クラシカルモダンなんて、クラシック(=伝統的)なのかモダン(=近代的)なのか?タイトルだけでもなんだか良くわからないイメージですね。
そんな時は、お近くの本屋さんへgo!買うのは勿体ないからペラペラ~と中身を見ちゃいましょう(くれぐれも丁寧に扱ってくださいね。)
PanasonicやLIXILなど、インテリア建材を取り扱っているメーカーのカタログも参考になりますよ。
それらの写真から、なんとなく自分の好きなイメージがつかめてくると思います。
すると、いつも「いいなぁ~☆素敵だなぁ」と目に止まるものは、似ていること(=同じテーマに属していること)に気付くハズです。
アレも良いけど、こっちもかわいい。なんて欲張りなあなたは、その中でどちらがより好きなのか絞っていきましょう。
色味を統一する
次に、自分の好みの空間がどのような色彩で形成されているのか?検証してみます。
床の色は?壁の色は?天井の色は?ドアの色は?家具の色は???
この時失敗しないカラーコーディネートの方法としましては、色味の統一です。
全部同じ色にするわけではありませんよ。
私たちは「クール(cool)カラー」と「ウォーム(warm)カラー」という表現を使いますが、これらは特に青みを多く感じさせる色「ブルーアンダートーン」と黄みをより多く感じさせる色「イエローアンダートーン」の2種類に分けることができます。
例えば、
スノーホワイト
ミルキーホワイト
のように、同じ白でも涼しげなスノーホワイト(=ブルーアンダー)とあたたかみのあるミルキーホワイト(=イエローアンダー)に分けられます。
これらがなるべく混ざらないように計画することで、かなり統一感のある空間が得られます。
この手法はインテリアだけではなく、ファッションやフラワーアレンジメントなど様々なシーンで応用できるので便利です。
アレもコレも買わない
テーマが決まったところで、いよいよアイテム探し・・・。
実際に店内に並ぶ商品を見ると、アレもコレも素敵に見えてしまい、頭の中で完成していたイメージが真っ白に・・・。
温かみのあるナチュラルな空間にしたい!と思って出かけたハズなのに、クロムメッキの脚がキラリと光るガラステーブルに釘付け・・・
え~?!買っちゃうの???
それ、買っちゃったら、ナチュラルじゃなくて、スタイリッシュモダンな空間になっちゃいますよぉ~。
なんて、困った時にいつも助けに来てくれるテレビの中のヒーローのように、私がヒョッコリ登場できれば良いのですが、そうはいきません。
一つ一つの商品が素敵だとしても、同じ空間にバラバラのアイテムを置いてしまうと台無しです。
ここはぐっと我慢して、「軸」を決める。決めたらそれに従って進む!
例えば、途中で迷ったら・・・「軸」から検討し直せば良いのです。
- テーマを決める
- 色味を統一する
- アレコレ買わない
この3点を守るだけで、納得のいくインテリア空間が作れますよ。
ぜひ、試してみてください。
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