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思わず珈琲が飲みたくなるような。

日常の生活が絵になるような。

言葉では表現できない "なんかいいな"を提供する住まい。

そんなテーマをもったリノベーション物件「fikaso」シリーズ。

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八清のディレクター・落海(左)と建築士であるDICETTA(ディチェッタ)酒井氏(右)とのコンビでこれまで7件発表してきました。(※2021年12月現在)

今回、京都市東山区にある約10坪ほどの小さな物件をリノベーションするにあたり、作庭をお願いしたのが、庭師 渡邊 郁さん(真ん中)です。

打ち合わせを重ねるたびに「この人、やばい!ゆっくり話したい」という思いがつのり(笑)、今回できた庭を眺めながら、いわしコーヒーさんの美味しいコーヒーを淹れてお話することになりました。

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渡邊 郁さん

渡邊庭店 店主。20代から造園業に従事する。雑木と山野草でつくるお庭を主体とし、植物のもつ自然な美しさや力強さを大切に、庭づくりを行う。日本建築の庭や、現代建築の庭、店舗の庭づくり、そして庭の手入れまで、庭に関する仕事を幅広く請け負っている。

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小さなお庭こそ作り込みが必要

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雑木林のような自然に近いような環境で植物が植えられている庭が好きだという渡邊さん。

しかしながら、今回の庭は小さいからこそしっかりと細部を作り込んだそうです。

石張りでは、いわゆる伝統的な和風建築に寄りすぎないよう直線的な石を配置し、現代的でシャープな庭に仕上げてくれました。

「この庭を見たときに、手彫りの灯篭がぴったり合うと思ったんですよね」

関東の作家さんが手彫りで作った「朝鮮灯篭」が似合うと確信した渡邊さん。

手彫りでやわらかくエイジング加工が施された灯篭は、石で作られているのにどこか柔らかさを感じさせ、庭の雰囲気をグッと底上げしてくれています。

そして、「この立派な灯篭の重厚感には、赤松でなければ負けてしまう!」と、灯篭の隣には東山に自生している赤松を配置したそうです。

赤い実がかわいいもう一方の木は「ウメモドキ」といって、こちらも東山で自生している植物だそうです。

灯篭の重厚感、赤松の無骨さ、ウメモドキのかわいらしさが三位一体となり、絶妙なバランス。

小さいながらも存在感を放つこの庭はそんなひらめきと感性から作られたものでした。

その現場に合わせた雰囲気や空気感を作り出したい

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カッチリと決め切らずに柔軟に変更しながら庭を作っていくことが多いそうで、今回の庭も、もともと違うパターンを考えていたそうですが、当日の朝現場に行く車の中で別のイメージが浮かび、作業していくなかで徐々に変えていったそうです。

図面の上だけでは落とし込むことができない、現場の空気感に合わせた庭づくりを大切にしているそう。

「だから、はじめに見積もりを出すのが苦手なんですよね(笑)」と渡邊さん。

確かに、やってみないとわからないという部分も多そうですよね。

「自由にやっていいよ!」という発注を待っているそうですよ!

植物の生長に合わせて植える向きを考える

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庭を作るときは、手入れのことまで考えて作業をするそうです。

「できるだけ良い枝を切らずに温存していけるように、枝が生長して伸びる方向を予想して、植物を植えていきます」

室内からの風景だけでなく、その先のことまで考えたこだわりに、一同驚きました。

「建物のことよりも、つい植物のことを考えてしまうんですよね」

渡邊さんの庭、ひいては植物に対する大きな愛を感じられたインタビューでした。

渡邊さんにお話うかがい、ディレクターの落海と酒井氏も「かなり楽しめる庭になった」とご満悦の様子でした。

次回、またどこかの物件で渡邊さんの庭を拝見できることを楽しみにしています!

Information

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fikaso

2人のコーヒー好きが建てた住まい。fikasoの物件はこちらからご覧いただけます。

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DICETTA 酒井 敬洋

大学ではインテリアデザインを学び、ミッドセンチュリーの名作デザインに影響を受け建築の世界へ。酒井氏についてはこちらのページをご確認ください。

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