「家は機能性よりもモチベーション!」
そんな言葉が飛び出したのは「町家リノベーションアイディア募集」プロジェクトの審査員をmaisさんにお願いする打ち合わせを八清の会議室でしていたとき。
滋賀県にあるmaisさんの自宅兼アトリエは自身でデザインされ、そのこだわりを聞いたところ登場した言葉です。
以前、お邪魔したことがある、八清 社長の西村直己も「すてき過ぎる!」と絶賛しており、プロジェクトメンバーでうかがうことになりました。
鮮やかな彩を描く美術家maisさん
「ヨリアイマチヤ」の襖絵
八清と美術家であるmaisさんとの出会いは設計士さんに紹介いただき、以前レンタルスペースとして運営していた「ヨリアイマチヤ」の襖絵を描いていただいたことがきっかけです。
祈りの彩をテーマに、様々な日本の古き良きモチーフ、特に花や神々、吉祥文様など「めでたきもの」を描くmaisさんならではの、鮮やかで部屋をぱあっと明るくするような襖絵に仕上げてくださり、大変好評でした。
「ヨリアイマチヤ」の打ち合わせ。右がmaisさん(2019年)
絵画作品を軸に活躍されていますが、インテリアやアパレル、 空間デザインなど様々なアートディレクションを手掛け、唯一無二の世界をいろどられています。
最近手掛けられた京都市上京区にある寺院の天井画をインスタグラムで拝見しましたが、鮮烈な彩で空間が一気に華やかになる素晴らしいものでした。
maisさんの作品はWebサイトでもご覧いただけます。
すてき過ぎる家
住宅街に突如現れた三角屋根の鉄骨のお家。
ジブリに出てくる小屋のような建物はmaisさんのアトリエです。
11年前に新築されたということですが、良い意味で新築とは思えない風合いがあります。
外観から一同「すごい!」と興奮気味でしたが、中へ進むにつれて「めちゃくちゃいい!」と感激しっぱなし。
自身でデザインした家のイメージを設計してくれる建築家になかなか出会えず、5年かかけてようやく巡り合えたそうです。
機能性よりも豊かな暮らしを追求した家に共感して形にしてくれる人が現れず、ついに運命の出会いを果たした女性の建築家が思った通りの設計をしてくれたそうです。
リビングやキッチンから比叡山に沈む夕日を見られるようにしたかったそうで、西側は大きなガラス窓になっています。
きれいな夕日を見られますが、夏は西日が暑く、空調効率が悪いそうです。
動線としては非効率な階段をつくって、空間や時間の切り替えができるようにしたり。
「機能性よりモチベーション!」
"好き"がつまった調度品もこの家に来るべくしてきたという感じ。
アンティークの小物やアート、夜に見たらビクッとしてしまいそうなお面や仏像など、旅好きのお父様のお土産も並んでいるそうです。
キッチンはアンティークのテーブルがシンクになっていて、タイルや食器棚もすてきです。
「もう1回、生命が宿るような感覚が好き」とおっしゃっていたことが印象的で、古いものが再び命を吹き込まれ、生き生きと暮らしているように感じました。
すべてにストーリーがあって、大事に丁寧に家を磨いて暮らしておられることが伝わります。
けれど、リビングの鉄骨は塗ろうと思ったけどそのままになっていたり、DIYしようと思ったけど手つかずという箇所もちらほらあり、すべて完璧にしなくてもいいんだと安心するところもありました。
maisさんの創作エネルギーはここでチャージして育まれ、彩を重ねられているんだなということを実感しました。
どんな家に暮らしたいですか?
家での生活をモチベーションに仕事をしたいという方もいれば、機能性や快適性を追求したいという方もおられます。
もちろんどちらもありだと思います。
暮らしの基盤となる家とは自分にとってどういう場所であるか、お客様にどういう場所を提案するべきか、答えは1つではありませんが、あらためて考える良い機会をいただいたと思います。
さて、どんな家に住みたいかインスピレーションが湧いたのではないでしょうか?
「町家リノベーションアイディア募集」に応募いただければあなたのアイディアが形になるかもしれません。
maisさんも審査員として加わっていただきます。
ご応募お待ちしておりますー!
町家リノベーションアイディア募集中!
「住んでみたい!」と思えるようなリノベーションのアイディアを一般公募することになりました。アイディアをお持ちの方ならどなたでも歓迎ですので、たくさんのご応募お待ちしております!
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