離島へ移住した元同僚を訪ねて、弓削島(ゆげしま)に行ってきました。
おだやかな海と波の音、ゆったり流れる時間と、新鮮な海鮮、その魅力にスッカリはまり、島を出るころには少し寂しささえ感じました。
ぜひ次は家族を連れて訪れたい場所です。
今回は、そんな弓削島の魅力をレポートさせていただきます。
弓削島ってどこ?
元同僚の尾藤さんが、京都から弓削島に移住したというのはSNSで知りました。
初めは読み方すら分からずGoogleで検索して、瀬戸内海に浮かぶ700以上ある島の一つで、愛媛県上島町にあるということを知りました。
時々見かける尾藤さんの投稿は、とてもキラキラしていて、「楽しそう。いつか行ってみたい。」と思っていました。
そんな時、会社から出張研修の話がありました。
各自、国内の好きなところに行き、そこで得た経験や学びを社内で共有し合うというものです。
出張先を考えるにあたって、以前から、瀬戸内海に行きたかったのと、「せっかく行くのであれば、尾藤さんを訪ねよう!」と思いたちSNSでメッセージしました。
何年かぶりに突然連絡したにも関わらず、二つ返事で「大歓迎ですよ!」と快く承諾してくださり、弓削島行きが決まりました。
瀬戸内の島々を渡り弓削島に上陸
新幹線で福山まで行き、レンタカーを借りて、因島(いんのしま)の土生港(はぶこう)へ。
そこから、生名島(いきなじま)の立石港(たていしこう)まで、フェリーで約3分。
再び車を走らせ、佐島(さしま)を通って、弓削島に到着です。一つ一つの島はコンパクトで、車で行くと、あっという間でした。
ゆっくり景色を楽しみながらサイクリングを楽しむのも気持ちが良さそうです。
海沿いを少し走ると、尾藤さんの奥様が店主を務めるコトリエ商店に到着しました。
白とグリーンを基調とした店内に、たくさんのドライフラワーが飾られていて、明るく心地よい空間です。
取り扱われている商品は、オーガニック由来の食品や化粧品、衣料品やペット用品など、奥様のセンスが光る洗練されたラインナップ。
2017年に京都でオープンし、弓削島に移転して1年、島のオーガニック思考の方々に喜ばれているそうです。
居住地としての魅力は?
早速、気になっていた「なぜ弓削島?」という質問をさせていただきました。
移住先を探し始めた当初は、いろんな街を視察されたそうです。
その中で勉強のためにも個人店がたくさんある地域を見ようと、尾道市を訪れたことをきっかけに、瀬戸内の雰囲気に魅かれ、いろんな島を調べて、実際に足を運ぶ中で、弓削島に出会ったそうです。
弓削島は離島ですが、本島からさほど遠くなく、福山・尾道・今治などの近隣市街地までは、車で約1時間です。
島内に信号やトンネルが一つもないというコンパクトな島ですが、居住地全域に光回線が整備されていて、上下水道などのインフラも整っています。
スーパーなどの生活利便施設もそろっていて、緊急時には、フェリー型高速救急艇「ゆうなぎ」が24時間救急対応してるという医療体制も安心です。
一番興味深かったのが、子育てや教育に関する話です。
島内の学校は高校まであり、1学年30人ほどで、愛媛県立弓削高等学校では、将来起業を目指す起業部や、生徒を対象とした公営塾「ゆめしま未来塾」などがあり、教育の充実にも力を入れている印象でした。
「最近は、何でもオンラインで学ぶことができるし、必ずしも大学に行く必要はない。
学歴も重要ではなくなってきている。
むしろ、どういう面白いことができるかという発想力や実行力などの生きる力をつけた方が良い。」
という考えから、都会にいることの優位性を感じず、この美しい島に移住するという結論に至ったそうです。
大人が子どもにとても優しく、子どもたちは本当に素直に育っていると感じるそうです。
尾藤さんのお子様も弓削島に移住してから、積極的に大人と話すようになるという嬉しい変化があったという話が印象的でした。
実は移住者が多い島
弓削島では近年、移住者が増えてきているそうです。
尾藤さんの紹介で宿泊させていただいた「弓削の宿」のオーナーも、鹿児島からの移住組。
3人のお子さんが自立したら民宿を営むという20代からの夢を、弓削島で実現されたそうです。
なんと、築100年以上の古民家を、オーナー自らがYouTubeを見て改装したとのこと。
一から手作りされた露天風呂も最高で、日々の疲れを癒すことができました。
天気が良いと、湯船の真上に設けられた天窓から、星が見えるそうです。
「vida con miel」も、尾藤さんに教えていただいて訪れたカフェですが、こちらのオーナーも移住組。
自然巣・無農薬の養蜂をされていて、そこで取れた蜂蜜をつかったスイーツのカフェを営まれています。
家具や器など一つ一つに愛を感じる洗練された空間で、とても美味しく、見た目も美しいイチジクのパフェをいただきました。
移住者のみなさんは、この美しい島に大きな可能性を感じているそうです。
2022年3月には、岩城島と生名島を結ぶ岩城橋が開通し、岩城島・生名島・佐島・弓削島を繋ぐ「ゆめしま海道」が完成しました。
これから更にサイクリストなどの観光客が増えると思います。
ついつい、田舎や島への移住は、地元の人に受け入れてもらえるのかと心配してしまいますが、弓削島の人は移住者にも温かく、地域全体にウェルカムな雰囲気があるとのことでした。
現在、愛媛県では、5年以上居住の意思がある移住者(子育て世帯)の住宅改修費用として、400万円(限度額)の補助がでるそうです。
物件自体も安価で、空家バンクを眺めているだけでも夢が広がります。
田舎暮らしや、二拠点居住など、居住スタイルの多様化が進む中で、実際に島移住を実現した方々にお会いし、移住までのストーリーや移住先を選ぶ際の視点など、面白い話をたくさん聞かせていただきました。
今後、業務の中でも京都への移住を考えておられる方や、まだ移住先をどこにするか検討中の方にお話できる良い学びがたくさんありました。
訪ねたスポット
コトリエ商店
愛媛県越智郡上島町弓削上弓削465
古民家 弓削の宿
愛媛県越智郡上島町弓削下弓削384-1
vida con miel
愛媛県越智郡上島町弓削狩尾177-1
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八清社員が日本各地へ興味が赴くままでかけ、見て、聞いて、普段の業務では得られない知見を広めてきましたのでレポートします。
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