暮らし企画部の福井です。
北海道へ行ってきました。
雑誌で見つけた気になる建築物
昨今外資系企業の出資が多く、観光地として注目が高まるニセコ。
同じく観光都市、京都で働く人間として一度ニセコという土地は一度行かなければいけないのではという使命感によりニセコへ参りました。
少し車で回りニセコのまち並みを調査。
その後少し外れたところにあるICOR NISEKOへ行きました。
広大な敷地にたつここは、化粧品ブランド「ICOR」のショップ兼カフェ兼オーナーの住居。
南東側に高低差5mほどの土手があり、その土手沿いに細長い建物が沿うように建てられています。
これを知ったのは雑誌「新建築」。
一目見て惹かれるものがありました。
設計は長谷川豪氏。
ここで私が着目したのは、「空間の切り取り方」について。
一般的に「広い」「明るい」などが良い空間と認識されているかと思います。
例えば窓においても「大きい」ということが何となく良いのではと考えている方も多いかもしれません。
ではなぜ「広い」「明るい」という空間が良いのでしょうか。
その先の意味まで考えを巡らせると、「心地良い」というところにたどり着きます。
例えば「狭い」「暗い」空間。
閉塞感があり、心は沈んでしまうなど悪い印象で捉えがちですが、捉え方次第で「落ち着く空間」にも変換ができます。
例えば町家における坪庭。
町家は連棟長屋がほとんどですので、側面に窓がないケースが多く必然と「暗い」空間になります。
しかしその「暗さ」によって坪庭の存在が際立ち、より美しく感じることができます。
このICOR NISEKOでは土手側に伸びた軒と地面の間は約1.62mとやや低く設定されています。
土手側に広がる山の景色に着目したい、そう思ったときついつい開口を高く大きくとってしまいそうになります。
しかし低いにもかかわらず美しい。
建物自身を長細く、開口の高さをやや低く設定することで、「水平方向への伸び」を強く感じることができます。
これぞ「空間の切り取り方」のお手本といったところでしょうか。
とても勉強になりました。
ICOR NISEKO
美しいまち並みの小樽
その晩は小樽で宿泊しました。
小樽は港町で、古い建物が非常に多く残っていました。
石張りの洋風な建物が多くあり、神戸異人館街を彷彿とする光景が広がっていました。
行く先々にたくさんの歴史的建造物。
町家とは一風変わって洋風の古い建物がたくさんありました。
まるでハリーポッターの世界に入り込んだような。
ロマンチックで心躍るまち並みでした。
北海道に行き思ったのですが、北海道の建物には「雨樋」がありません。
どうやら積雪で雨樋が壊れてしまうのでつけることができないようです。
当たり前に必要なものと関西で使っているものも、場所が変われば当たり前が変わるものなのですね。
モヌレ沼公園へ
札幌市にある調広大な土地の公園。
「AKARI」などが有名な彫刻家、イサム・ノグチ氏のデザインによるアートパークです。
時間の関係でガラスのピラミッドのみ見て来ました。
大きすぎて全て回ろうと思うと相当な時間がかかりそうです。
元々はゴミ処理場であったそうです。
1982年(昭和57年)に着工し、2005年(平成17年)にグランドオープン。
その間なんと23年。
生まれたての子どもが大学へ行き、新社会人となる程の期間です。
広さも期間もでっかいどう。
スケールアウトしすぎです。
「公園全体がひとつの彫刻作品」という理念のもとデザインされたとのこと。
残念ながら本格的造成工事が始まる前年にイサム・ノグチは亡くなってしましました。
「地球を彫刻する」。
イサム・ノグチが一度はやりたいと強く願った目標の一つであったそうです。
時間の関係上、「ガラスのピラミッド」のみ見てきました。
美しい。
広大な公園に聳えるとても象徴的なモニュメントでした。
しかし何かに似ている。。。既視感が否めない。
ルーブル美術館に非常に似ている。。。
どうやらルーブル美術館を設計した建築家、I.M.ペイはイサム・ノグチの若き友人だそうです。
公式ページにも本件へ言及がありましたが、やはりルーブル美術館のオマージュなのだそう。
聞いてなるほどなるほど、と腑に落ちました。
モヌレ沼公園
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八清社員が日本各地へ興味が赴くままでかけ、見て、聞いて、普段の業務では得られない知見を広めてきましたのでレポートします。
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