今年はマイブームでもある沖縄についていろいろと皆さんにお伝えできることをテーマにしようと思います。
民泊を体験
まずは2018年6月に施行された「住宅宿泊事業法」(以下:民泊)を体験をしようと思い、沖縄で一般的な住宅に宿泊体験をしてみたいので、宜野湾市にある住宅に宿泊先を決めました。
沖縄では木造住宅というのは少なく、一般的な鉄筋コンクリート2階建の住宅で、1階にオーナーさんが居住され2階を民泊として貸されているパターンが多くあります。
始めてAirbnbをお使い、予約をしたのですがスマホさえあれば、簡単で非常に使い勝手がいいアプリでした。
今回の宿泊地は住宅地のど真ん中にあるので、住宅地図の表示がうまくいかず到着に少し手間取りましたが、チャット機能がついているので、何とか到着することができました。
家の中は、ホテルとは違い2階空間だけですが、寝室とリビングがわけられ、設備がそろっており、リフォームもされていたので綺麗で広々として快適に過ごすことができました。
長期で宿泊する時や人数の多い旅行にはこの選択はアリだと感じました。
参考
沖縄の不動産調査
次は不動産市場調査のため、那覇市で不動産と建築の事業をされているSONGSの増田さんにお世話になり、那覇市内の不動産をいろいろと見せていただきました。
※SONGSの増田さんは現在、当社のリノベーション物件も設計をしてもらっており、京都に沖縄の風を運んでいただいていおります
今回は、中古分譲マンションと中古戸建物件を内見しました。
ここでは個別の物件詳細は控えさせていただき、個人的な総評だけをお伝えすると、京都市と那覇市は多くの共通点があると思っています。
- どちらも観光都市(外国人も多い)
- どちらも都(天皇・琉球王朝)
- 移住者が多い
- 道が狭い、建物が低い
- 年中祭り(行事が多い)
- 自然が豊か(京都=四季 沖縄=亜熱帯)
などがあげられるのではないかと感じました。
そこで那覇市と京都市上京区の住宅地の不動産市場を比べてみました。
(※LIFLL HOME'Sを参考に比較)
中古戸建
100㎡の建物があるとした時の平均中古戸建価格
京都市上京区 3,308万円
沖縄県那覇市 4,628万円
100㎡築20年以上の建物があるとした時の中古戸建価格
京都市上京区 2,906万円
沖縄県那覇市 3,183万円
中古マンション
70㎡の専有面積で平均中古マンション価格
京都市上京区 3,130万円
沖縄県那覇市 3,411万円
70㎡の専有面積で築20年以上の平均中古マンション価格
京都市上京区 2,494万円
沖縄県那覇市 3,181万円
どちらも那覇市の方が高いという結果がでしたが、私個人の第一印象も同じ感覚でした。
実際に見学させていただいた感想としては、戸建に関しては那覇は京都と比べ土地が広いので価格差が大きい、築20年以上に関しては那覇と京都の価格の差にひらきが少ないのは建物価値が低いからかと推察します。
近年沖縄でも木造住宅の建築が多くなってきていると聞きますが、中古に関しては鉄筋コンクリートの建物が圧倒的に多い印象で、建築コスト、対応年数を考慮しても築20年中古に関しては割安に思いました。
しかしマンションに関しては、築20年以上のマンション平均価格が高いのが目につきます。
沖縄では相対的に利便性が良い所にマンションが多いので、価格が下がりにくい傾向なのではないでしょうか。
今回、中古戸建は鉄筋コンクリート、木造を見てきましたが、リノベーション物件はほとんどなく、ひと昔前の不動産現場を見ているようでした。
木造に関しては平家が多く、屋根は新しい家ほど赤瓦、古い家はセメント瓦の方が多い印象を受けるなど、沖縄の特徴的な住宅の両方を体験しました。
なぜ鉄筋コンクリートが多いのか探ってみると、台風と湿度(シロアリ被害)などの気候による影響は大ですが、米軍の占領下で一般化したという経緯もあるようです。
占領下では米軍が使用する建物(米兵の住宅含む)が多く建てられ、それらは鉄筋コンクリート造(RC造)が主だったので、その影響で一般の住宅もRC造のものが多くなったという説もあります。
その後台風の時などに、それらの建物の優位性が明確になりRC造の住宅が一気に普及したとも言われています。
マンションに関しても2物件見学させていただきました。
大きな違いはありませんが印象に残ったのは湿気と塩害でした。
どちらも築古ではあったのですが玄関扉、パイプスペースの扉やエレベータの扉に錆が見受けられ、これに関しては地域の特性なのか、管理状態なのか購入時の判断材料になるのではと思いました。
断熱リノベーション
ここまで不動産市場のお話をしましたが、今回もう一つ、沖縄市でマンション断熱リノベーション「断熱+気密+高効率設備で省エネ」を実践されている(株)アーキラボラフィットの徳里さん、嘉手苅さんを訪ねました。
なぜ沖縄で断熱??という気持ちからでしたが、実際尋ねてお話聞き、現場も見せていただくとなるほど!!と感心するばかりでした。
まずは沖縄でのリノベーション市場のお話を聞き、まだまだ成熟しておらずまだまだ発展の余地は多くあると感想を持ちました。
その後、現在進行中のリノベーション物件を見せていただき、こちらも鉄筋コンクリート造の物件ですが、郊外での戸建は2世帯住宅が多いと聞き京都との大きな違いを感じました。
それと仏壇が2つある家も多いとお聞きし、基地だけでなく戦争を感じる部分もありました。
本題の断熱マンション、私もそうですが沖縄で断熱は不要と思っている方も多いと思います。
断熱し気密性を高めることで、外から入ってくる空気の温度を調整して、室内に取り入れる『熱交換式換気システム』で、窓を開けなくてもクリーンで温湿度の安定した快適な室内環境を維持することができます。
電気代の値上げが激しい沖縄にこそ必要!とこの施工をはじめたそうです。
また、湿気対策としても非常に有効だそうで、夏場3日も家を空けるとカビだらけになるということを聞き、さらに必要性に納得しました。
当社でも冬の寒さ対策を前提に高気密高断熱物件を造ったことがありますが、寒冷地域は寒さ対策、亜熱帯地域は直射日光対策と湿気対策と、地域を問わずメッリトは多く、今後の住宅建築にとって欠かせないアイテムだと感じました。
今回の研修では、他にも沖縄独自の不動産市場でもある、リゾート物件、軍用地売買、米軍住宅(賃貸)の部分までは踏み込めませんでしたが、不動産、リノベーション市場など多くのことを学ぶことができました。
お世話になり本当にありがとうございました。
(株)アーキラボラフィット
沖縄で戸建住宅やマンション、店舗などのリノベーションを手掛けておられます。
美ら海水族館
名護市庁舎
あとはついでに、名護市役所(象設計集団)、ホテルムーンビーチ、美ら海水族館、那覇市役所(建築家 国場幸房)の建物も見てきました。
どれも特徴的で、植物、パーゴラ、採光が独特で古きよきものではなく、古くなっても古臭くなくいつまでも斬新で建築物だけで観光名所になりうるものだと感じました。
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八清社員が日本各地へ興味が赴くままでかけ、見て、聞いて、普段の業務では得られない知見を広めてきましたのでレポートします。
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