DSC_0116.jpg

こんにちは、メディアデザイン部の加地です。

私は大学時代、美大に通っており、アート作品の制作や展覧会の開催、企画立案などを行っていました。

そのため、現在もアートに触れることが大好きで、アートがさらに広まることを願っています。

アートが展覧会だけでなく、多くの場所で多様な人々に触れられることが可能になれば、これは文化的な活性化と地域の魅力向上につながると考えています。

そのような事例を求めて、多くのアート作品と街全体が祭りになる芸術祭に注目しました。

今回は、日本の芸術祭の中でも歴史のある横浜トリエンナーレの取材を行いました。

横浜トリエンナーレについて

横浜トリエンナーレは2001年にスタートした、横浜市で3年に一度開催される現代アートの国際展覧会です。

世界のアーティストが今何を考え、どんな作品を作っているのかを紹介しています。

「アートでひらく」「世界とつながる」「まちにひろがる」を使命とし、誰もが多様な表現に触れ、新たな価値観と新たな文化を世界に届け、文化芸術創造都市としての横浜のまちの力を推進しています。

横浜の街に入り込むアート作品に出合う

DSC_0014.jpg

桜木町駅を歩いているとふと大きな写真がパっと目に入りました。

これは広告じゃない!作品だ!とすぐに気付きとても興味深く感じました。

DSC_0032.jpg

DSC_0035.jpg

地図や案内、お店の情報などが雑多にあふれている視覚情報の中に急に飛び込んでくる作品。

他にも調べていなかったのに、突然考えさせられる作品に出合う事があり、普段の美術展ではない体験で楽しかったです。

旧第一銀行横浜支店

IMG_1285.jpg

まずは旧第一銀行横浜支店に行きました。

横浜トリエンナーレ公式HPに建物の説明がありました。

第⼀銀⾏横浜⽀店の四代⽬建物として、先代が関東⼤震災(1923年)により消失したことを受け、建築家、⻄村好時氏の設計により1929年に建てられたもので、戦前の関内が⼀⼤⾦融街でもあった歴史を物語る貴重な存在です。

竣⼯当時は、現在地から約170m離れた⾺⾞道の⼊り⼝付近に⽴地しましたが、2003年に周辺の再開発に合わせて移築・復元されました。

2004年からは、芸術や⽂化の「創造性」をまちづくりに⽣かすことで都市の新しい価値を⽣み出す「⽂化芸術創造都市」の先駆けの場として活⽤され、創造的な活動を広く発信してきました。

DSC_0077.jpg

上記にあるように復元されたものとは言え周りにある高層ビルとは造りが違った建物で歴史を感じるのはもちろん、重厚感が違います。

現代的なビルと重厚感のある建物のコントラストが面白く見えました。

横浜美術館

DSC_0080-2.jpg

そして横浜トリエンナーレのメイン会場である横浜美術館に来ました。

すぐそばには公園があり、市民の人たちがちょうどお昼ご飯を食べたり、気温が高い日だったので、子どもが噴水の水で水遊びをしたり長閑な時間が流れていました。

1989年開館の横浜美術館は、戦後⽇本を代表する建築家、丹下健三氏の設計による、みなとみらい21中央地区で最初に完成した施設です。

横浜開港(1859年)以降の近・現代美術作品、約1万3千点を所蔵。

これまで多彩な展覧会を開催し、また⼦どもから⼤⼈まで楽しめる造形や鑑賞のプログラムを実施してきました。

国内外の美術資料を取りそろえた図書室も併設しています。

2021年に始まった⼤規模改修⼯事により、約3年にわたり休館していましたが、第8回横浜トリエンナーレの開幕とともに、いよいよ2024年3⽉、リニューアルオープンしました。

DSC_0114.jpg

会場に入ると天井まで吹き抜けになった広い空間の中に作品が沢山展示されていました。

会場の外の長閑な空間とはまた違って作品自体に力のあるものが多いので、すこしピリっとした空間に変わりました。

映像作品では空襲警報の音を真似る人の声もありなんだか少し不穏にも感じてしまいます。

DSC_0118.jpg

DSC_0086.jpg

DSC_0099.jpg

社会的なアイデンティティの在り方など私たちはどう社会に向き合うのかなど考えさせるものが多く、私が生活している中で取りこぼしている問題がこんなにもあるんだなと痛感しました。

そして言葉で伝えるのではなくアートとして伝える事の意味も考えさせられました。

言葉では時間がかかったり、伝わる範囲というのは興味のある人には伝わりますが、そうでない人には難しいものです。

アートならこのようにある程度開かれた空間の中に一瞬で惹きつける力があります。

また展示方法も、街の中にあることで、街を行きかう人たちみんなで作品に触れ、中には考えをめぐらせる人が現れることも期待されているように感じました。

アートの中に泊まる体験をしに東京・日本橋BnA_WALLへ

横浜トリエンナーレをあとにして、脳内はアートの世界でいっぱいです。

更に生活の中にもどっぷりとアートに浸れるホテルがあると情報を得て、そちらにも行ってみます。

BnA_WALLの客室は全てアート作品のアートホテルになっていて、各客室の床・壁・天井までがアーティストがこだわり作り上げた空間になっている類を見ないホテルになっています。

ホテルだけではなく制作/展示スペース、巨大壁画、カフェ/バー/ラウンジを併設しており幅広い活動を楽しめる空間になっています。

客室全体がアートになっていてそこに泊まる体験なんて聞いたことがなくとても楽しみでした。

そして私は中でもとびきり楽しめる部屋を選んでみました。こちらです!

IMG_1310.jpg

なんて楽しい部屋でしょうか。

いろんな遊び心でいっぱいの部屋なんですよ。

DSC_0142.jpg

ベッド横のサイドテーブルはジェンガで出来ています。

サイドテーブルとして頑丈なのでジェンガのようには崩れません!

DSC_0148.jpg

こんな所からティッシュペーパーが取れちゃいます。

照明のスイッチもここから出てきてます。

ティッシュを取る何気ない行動にクスっと笑ってしまいそうですね。

また、宿泊費の一部がアーティストに還元されるパトロンシステムが採用されており、アーティストの応援にもなります。

アートが好きだけど、アーティストの応援ってどうすればいいのか難しいですが、これなら気軽に私もパトロンになれるんだ!と嬉しい気持ちになれました。

BnA_WALL

Webページ

街にアートがあり、そこに人が集う

様々な形のアートを見る事で、たまたまそこにあったから目に入る人もいれば、観賞することが目的でみる人もいてふれあい方の幅がありおもしろく感じました。

横浜は昔から多様な人が行きかう街として発展したことを忘れないために横浜トリエンナーレは様々な投げかけをする展示を行い、BnA_WALLは旅にアートを盛り込み且つその場所がアーティストの制作であったり交流の場にもなり動いていく空間になっています。

アートがある所には必ず人がいます。

そして人を惹きつける力もあります。

街にアートが関わる事で豊かな人の流れが生まれて更に街に相乗効果が生まれているのでないかと思う数日間でした。