少し肌寒くなり始めた10月の中旬頃、今回の出張研修は3泊4日で北海道へ行ってきました。
なんと4都市を巡る弾丸旅程!
1,2日目は札幌市と旭川市、3,4日目は小樽市と函館市を訪れました。
その中でも「小樽市」と「函館市」の魅力をご紹介します。
小樽市について
小樽市は明治から大正時代にかけてニシン漁で栄えた街です。
小樽運河の発展とともに、漁具として使用されていたガラス製の浮き玉や石油ランプをはじめとするガラス工業が盛んでした。
現在では観光客向けのガラス製品や伝統工芸品として形を変え、小樽市の特産品として国内外の観光客に愛されています。
堺町通りを歩いていると、京町家のような木造ファサードの建物や石造りの建物が軒を連ねており、とてもノスタルジックな雰囲気でした。
表向きは石造りですが、内部は木造の骨組みが使用されており、『木骨石造』と呼ばれるようです。
過去の火災から、防火性を高めるために木造から石造へ移行されたようですが、のちに北海道の寒い気候から物資を保管する倉庫として適した建物となっていたようです。
夜ご飯はイタリアンレストラン『ISO』で頂きました。
明治39年築で都市景観賞も受賞しているこちらのレストランは、小樽市指定歴史的建造物に指定された旧磯野支店倉庫を改装した建物です。
煉瓦造りがとてもいい雰囲気を醸し出していました。
夜ご飯後はライトアップされた倉庫群を見ながらホテルまで歩いて帰ることに。
綺麗なステンドグラスや昭和2年築の国重要文化財指定旧三井銀行小樽支店を横目にホテルへ戻りました。
今回宿泊先として選んだのは、『UNWIND HOTEL & BAR 小樽』。
元々は北海道初の外国人専用ホテルとして昭和6年に建築され、将校クラブとして利用されていた時期もあったそうですが、後に小樽市指定歴史的建造物や「近代化産業遺産群33」にも指定され、歴史を感じる建物の情緒や建築的美観を残したまま大規模リノベーションが行われました。
2019年にブティックホテルとして生まれ変わった現在でも、ホールの真ん中にある階段やステンドグラス、玄関は当時のままで趣がありました。
北海道ならではの寒さ対策なのか、二重窓と今まで見たことのない壁厚には驚きました。


翌日はあいにくの天気でしたが、せっかくなので小樽市内を少し観光することに。
かの有名なルタオ本店で朝食をとった後、小樽オルゴール堂へ。
国内最大級のオルゴール専門店で大正4年築の歴史的建造物を利用した建物内でオルゴールの音に耳を傾け、明治中期の漁業用倉庫を改装した北一硝子三号館 北一ホール店舗では石油ランプの灯りのみがともる店内で幻想的な雰囲気を味わいました。
店内には167個もの石油ランプが灯り、一つひとつ手作業で点火されているそうです。
その幻想的な光景は特別なひと時を演出してくれました。
また北一硝子三号館は、小樽における石造倉庫のリノベーションの先駆けともいわれているようです。


その後は地元の海鮮市場で海鮮に舌鼓を打ち、小樽での五感を研ぎ澄ます貴重な時間を終えて函館へ向かいました。
UNWIND HOTEL & BAR 小樽
小樽オルゴール堂
北一硝子
函館市について
新千歳から函館までは飛行機で移動しました。
函館市は幕末から明治時代にかけて重要な貿易港として発展した街です。
1859年に開港され、外国との交易が活発に行われたため、西洋文化の影響を色濃く受けており、これが函館の街並みや建築に反映され、レトロな洋風建物が多く見られます。
あいにく函館市内に到着できたのはもう日が暮れ始めた頃。観光は諦め、更に雨が降っていたのでホテルに荷物を置き、とりあえず夜景を見に行こうとホテル前に停車していたタクシーの運転手さんにお願いしたところ、「雨が降っているし、今から行っても何も見えないよ」とタクシーの運転手さんにやんわり断られ...諦めざるをえなかった私たちはとりあえず夜ご飯を食べに行くことに。
お店を予約していなかった私たちですが、その場で見つけたラムしゃぶ屋さんに行きました。
その後、夜景をどうしても諦めきることができなかった私たち。
雨が小降りになっていたことと、たまたま通りかかったタクシー運転手さんのご縁に恵まれて、無事に函館山の夜景を拝むことができました。
今年4月に行った長崎の稲佐山の夜景に続き、函館の夜景を見ることができ、個人的に日本三大夜景を制覇しました!
やはり長崎と同じく、函館にも坂が多くありました。
その後、タクシー運転手さんのご厚意で、八幡坂や旧函館区公会堂、函館ハリストス正教会などの観光スポットも巡っていただきました。
滞在時間も短く、すでに夜だったので街並み散策は諦めていたのですが、最後に旅の満足度が高まりました。
函館では、大正ロマンのような設えのホテルに1泊し、翌日朝5時半起きで向かったのは、北海道随一の大市場と呼ばれる函館朝市。
朝から活気のある朝市では新鮮獲れたての海鮮が並び、どのお店も魅力的でした。
朝ご飯を食べに入ったお店にて、たまたま注文した貝が品切れだったようで、すぐにお店の方が朝市で用意できるかを即座に確認してくださり、数分後に別の卸売りのお店の方が貝を持ってきており、北海道の海鮮の新鮮さが目に見えた瞬間でした。
朝からお腹も心も満たされ、その足でホテル近くのベイエリアに建つ、明治42年築の金森赤レンガ倉庫へ行きました。
現在はショッピングモールやビアホールとして営業されており、このような形で営業されるようになったのは1988年からとのこと。
長崎から函館に移り住んだ初代・渡邉熊四郎が輸入雑貨や船具の販売を手掛け、明治20年に既存の建物を買い取り、営業倉庫業に乗り出したのが始まりとのことです。
お土産を見つつ、海風に吹かれながら函館市での残り短い時間を堪能することができました。
今回の研修は、限られた時間でありながらも北海道の4都市を訪れ、その街並みや文化から多くの魅力を感じることができました。
京都に戻り、少し時間が経過した今、レポートを書きながら思い返すと、毎日電車や飛行機を駆使して異なる都市を移動し、その中で北海道の広さと多様さを実感できた貴重な4日間だったと感じます。
次回は、真冬の銀世界や夏の緑豊かな景色を見に、またぜひ北海道を訪れたいと思います。
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