今回の出張研修の目的地は冬の札幌です。
八清事業とシナジーがある事業として関連会社㈱SuiTTeで推進しているSym Turns(セカンドハウスシェアリングプラットフォーム)という事業で北海道進出の構想があります。
京都とは住環境が大きく異なる冬の北海道で、戸建の二拠点居住での暮らしや富裕層の嗜好行動を学ぶために家族を巻き込んで出張研修を行ってきました。
Sym Turns では別荘オーナーの空室期間を、二拠点居住として利用したい複数の入居者に、時間差によるシェアを行うことで月額家賃の形で収益を得ることが可能になります。
また入居者にDX(Webサービス)によるコミュニケーションと情報共有で自律的な管理利用を促し、複数の入居者だけで運営管理を自走させて、オーナーは管理を手放すこともできるユニークな仕組みです。
宿運営よりも収益こそ少ないですが、断続的な使用が見込め、地域に根を下ろしていく方を増やし、自己利用が可能かつ住宅家賃に劣らない安定的な収益を得られる可能性があります。
特に旅館業や住宅宿泊事業が禁止されているエリアや地域活性化も含めて本システムの活用をおすすめしています。
兎にも角にも、富裕層に二拠点居住の暮らしを提案するにあたり本州の人間には想像しきれないことが多い冬の北海道を経験すべく北海道に3泊4日滞在します。
これからどんな事が起こるのか不安もありますが楽しく過ごしていきたいと思います!
セカンドハウスシェア Sym Turns
滞在に向けた準備
冬の北海道は最高気温マイナスが当たり前の世界です。
暖かいアウターは勿論トップスのセーターのインナーにも暖かい服を着こんで出かけました。
そしてスノーシューズが要ります。
ブーツタイプのものを購入してもよかったのですが、西村は雪山に強いハイキングシューズのmerrell moeb3 を購入!
ハイカットに近い浅めの靴ですが、防湿性、防水性、クッション性が強く、履き心地も良い靴で女性にも人気だとか。
そして宿泊先の予約とともにレンタカーも事前予約しておきました。
一大イベント、さっぽろ雪まつり2025へ
15時50分に伊丹を出発し、2時間で新千歳空港に到着しました。
新千歳空港エアポートライナーにて45分で札幌駅に到着します。
ちなみに終点の小樽へはさらに30分でつきます。
冬の北海道は雪を求めるインバウンドのお客さんが増えることから夏よりも混雑します。
特に天候不順で遅延などもあるので、十分に余裕を持った旅の計画が必要です。
初日は滞在時間が短いので駅南口から徒歩圏内にあるホテルモントレエーデルホフ札幌に宿泊しました。
14階にスパがある魅力的なホテルでした。
お腹はペコペコ。
札幌の街中を散策、早速北海道メシをいただきます!
さっぽろ雪まつりは都心にある大通公園と歓楽街のすすきの、そしてつどーむの愛称で知られる、札幌市スポーツ交流施設コミュニティドームの3会場にて期間限定(2/4~2/11)で開催されています。
私達は大通会場とつどーむ会場を訪問しました。
大通公園の雪まつり会場は精巧にできた大小様々な迫力のある雪像がお見事でした!
他には社会的な活動を行う企業のブースなどもたくさん並んでいました。
北海道のご当地グルメの海鮮やジンギスカン、ラーメン、スイーツなど様々な屋台が東西に長い大通公園の1丁目から10丁目までの広範囲にあり、一日中楽しめます。
2日目に訪れたつどーむ会場はドームの内外で子どもが雪と触れ合えるアトラクションやマルシェ、北海道グルメの屋台が展開されていました。


バターラーメン!濃厚味噌ラーメン!美味すぎました!!!
屋外の有料アトラクションでスノーラフトに乗りましたが意外や意外!スピード感とスリルがあり家族全員大興奮。
子どもはドーム屋内のスリル満点の巨大滑り台「タイタン」を楽しんでいました。
2025 千歳・支笏湖氷濤まつり 氷の美術館
冬の北海道のスリルドライブ
北海道の旅行に車は欠かせません。
雪のデコボコした悪路が多くあるため、安定感があり、収納力(冬の滞在は荷物が多ので)がある車を借りるのが良いと思いました。
北海道の冬のドライブというとハードルが高そうですが、無茶な運転をせず安全運転を心がければ大丈夫でした。
ただし、スタッドレス×4WDを過信してはいけません。
雪で車線も停止線も歩道も見えない道になるため、空中に停止線があったりと色々な標識があります。
出発前には雪でガラスの雪を取り除く雪かきブラシが重宝します。
とにかく冬の北海道では法定速度を守ったスピード控えめの運転を心がけました。
北海道の戸建てに宿泊
2日目の宿泊は札幌市南区にある定山渓温泉エリアにある中国人オーナーさんの戸建て住宅です。
築浅の立派なファミリー向け住宅をAirbnbで手配しました。
このオーナーさんは戸建てを並びで3軒も所有されています。
おそらく投資家さんなんでしょうね。
札幌市といっても京都市と同様に、市域に広大な山林地帯を含んでいます。
定山渓は中心市街地の盆地を南西に抜けた山間部にあり、札幌駅から車で移動する場合、35分程度で到着します。
定山渓エリアには立派なホテルや温泉旅館がたくさんあります。
エリアのことは後で少し触れるとして宿泊した戸建住宅の話をしますね。
北海道の住宅で1番気になるのは冬の寒さです。
北海道の住宅は気密性、断熱性の性能と暖房設備が命。


現場に到着して、まず目についたのが縦格子のようなデザインの温水の輻射熱暖房です。
ガスで温められた温水の輻射熱でじわ~っと熱が伝わりぽっかぽか。


各居室だけでなく廊下やトイレを含め全部の部屋に設置されてます。
各暖房器にはつまみがあり強度を調整することができます。
給湯器に暖房ボタンがついていて、これを押すと全ての暖房器に温水が流れ、輻射熱による暖房が作動します。


外には雪かき道具がちゃんと用意されていました。
なかなかの体力仕事です...
次は屋根についてです。


建物の屋根は積雪を考えて陸屋根、もしくは緩い勾配の妻葺の屋根が多いようです。
無機質なデザインですが、これには意味があります。
陸屋根は、実は建物のてっぺんが真っ平らなわけではありません。
これが「無落雪屋根」です。
屋根の中心に向かってわずかに傾斜をつけて谷の底の溝に落としたり、雪止め処理を施したりして、雪を地面に落とさないように、一般的には雪は積もらせたままにして、太陽熱などで溶けた雪水を屋根に設けた排水口から外に出すというような仕組みです。
こういった仕組みにすることで、雪下ろしの際の落下事故や、滑り落ちる雪の下敷きになるなどの事故を回避でき、ツララが出来にくいないどのメリットがあります。
しかし、積もった雪が屋根から張り出す「雪庇」が課題となっています。
雪庇は大きくなると落下する恐れがあるため、まめに雪庇を落とすなどの配慮が必要です。
定山渓温泉からスキー
さて話を定山渓温泉の方に戻します。
雪質の良いスキー場が身近にあるこの温泉街はインバウンドの富裕層が多く訪れる温泉リゾートです。
ここに来る訪日観光客の時間の過ごし方を体験してみます。
ここで別荘を購入する人も多いのかもしれません。
戸建てに滞在する人にとっては外湯が気になりますよね?
定山渓には外湯がたくさんあります。
私たちは日帰り温泉施設の湯の花 定山渓殿に行きました。

ここでは源泉かけ流しの湯を満喫できるのと多種多彩なお風呂を楽しめます。
露天風呂は定山渓ならではの景色が楽しめ、岩に囲まれ青くライトアップされた洞窟風呂、アクティブスパ、寝転び湯など多彩で、五感から癒されるお気に入りの温泉の一つになりました。
次は食事です。
定山渓の温泉街ではホテルのレストランを除くと選択肢はそこまで多くはありません。
お店の方も親切で美味しかったのはジンギスカンの有名店、松尾ジンギスカンの定山渓店です。
ジンギスカン定食は上ラムとマトンから選べますが、上ラムを選択。
野菜と一緒に鍋で焼いて食べるスタイルでしたが臭みも少なくとても美味しかったです。
食材を買って別荘で調理したい場合、スーパーマーケットはなく、コンビニ規模のお店のみですので良い食材を買いたい場合は遠くまで行かなければいけません。
3日目は滞在先から車で30分の場所にある札幌国際スキー場へ!
ここに来る訪日観光客の時間の過ごし方を体験してみます。
8時半にやってきたら一番乗りでした。
どこのスキー場でも最近はそうですが、スキー板もボードもウェアもブーツもなく手ぶらでOK、全てレンタル可能です。
札幌国際スキー場は広いゲレンデで雪質も最高!!
気持ちよく滑れました。
そしてもう一つ嬉しかったのはレストランの選択肢が豊富にあること。
訪れたイタリアンレストランが予想外に美味しかったです!


釜焼きのピザもカニのトマトクリームパスタが特に!
今回の滞在はスキーがはじめての三女と一緒だったので滑ったのは初級者向けのコースのみの利用でしたが、中級者上級者向けのコース、林間コースも含め多種多様なコースがあります。
超初級者向けのコースでは上りのスノーエスカレーターもあり、スクールもあります。
札幌からのアクセスも良く、これからスキーを始める方やファミリー向けにはとても良いスキー場だと感じました。
またスキー場は日本人だけでなく外国人(欧州、豪州、中華系)の利用者も多かったです。
札幌国際スキー場
支笏湖の氷濤まつり 氷の美術館
定山渓の家をチェックアウトし、最終日4日目は千歳市にある支笏湖、支笏洞爺国立公園に向かいます。
今回の訪問の目的は2月限定のイベント、氷濤まつりと氷の美術館です。
ドライブしていると支笏湖が見えてきました。
支笏湖は支笏洞爺国立公園内に位置する日本屈指の豊かな自然環境を守り続けている場所で、全国で6番目となる「ゼロカーボンパーク」として登録されています。
湖畔から対岸に見えるのは風不死岳と丹鳴尾山でしょうか。
雪化粧した山の眺めが美しすぎて感動しました。
支笏湖氷濤まつりは、この豊かな自然環境を訪問者とともに守るために、色々な自然環境保護の取り組みをされています。
氷で出来た建造物とライトアップを楽しめる季節限定のイベントです。
またライトアップは支笏湖の水で創り出された水力発電エネルギー100%で稼働、さらに豊かな森を作り上げる上で、不要な樹木を伐採し、この木材を氷像の建築資材として活用されています。
支笏湖の湖水をスプリンクラーで吹き付け凍らせた、大小様々な氷のオブジェが立ち並ぶ、北海道を代表する冬の祭典です。
昼は支笏湖ブルーと呼ばれるナチュラルブルーに輝き、夜は色とりどりのライトに照らされ、幻想的な世界が演出され、まさに「アナと雪の女王」の世界感でした。


氷でできた建物のカフェやミュージアムがあったり神社があったりとワクワクが止まらない!!




今回の訪問は日中でしたが、また夜のライトアップにもいつか来たいと思わせる自然の圧倒的な美しさと畏敬の念が深まったイベントでした。
色々な企業や団体の後援、職人の手仕事、地元への愛と誇りがあってこそ成せる素敵な取り組みに西村家は感動致しました。
帰路に事件が
あっという間の4日間で名残惜しいけど京都に帰ろうと新千歳空港からの帰路についたとき、事件が起こりました。
伊丹行きの飛行機が大雪で欠航になるという予想していないことが!!
新千歳空港からの空の便は欠航が続き、会場はショックで響めき、チェックインカウンターは長蛇の列になっていました。
こういう時に1番最初にしなくてはならないのは返金や振替手続きではなく、即座に他の航空会社も含めて空席のある便を探すこと。
私たち家族は無駄にジタバタと慌てているうちに翌日の飛行機の空席がなくなり、選択肢が鉄道とフェリーのみに!泣笑
千歳空港界隈には泊まる場所もなくなり、知人の親切な不動産業者さんの紹介で隣町の苫小牧のホテルに泊まりました。
翌日に特急で函館まで、そして函館から北海道新幹線にて青函トンネルを抜けて東京を経由してやっと京都に戻れたのは夜の21時半でした。
自宅に帰ったら妻が一言。
「自宅は寒いわー!定山渓の家の温水暖房は本当に暖かくて良かった。
暖かさの追求の意識が京都と北海道では全然違うよね!」と。
最後に
二拠点居住に向けてのエリア選定について感じたことを綴ってみます。
北海道に暮らすということは冬の自然や気候の厳しさと向き合うことです。
住宅も自動車も安心安全で快適な環境づくりが本州以上に重要であること、交通機関の遅延や事故には注意することと時間的余裕が必要だと感じました。
二拠点居住を想定する場合、自宅からの拠点(セカンドハウス)までの移動時間、特に空港からの拠点への移動時間は短いに越したことはありません。
仮に自宅が関西にあるのであれば、北海道への飛行機の行き先は千歳空港か函館空港となります。
首都圏であれば旭川空港や帯広空港、釧路空港、函館空港と選択肢が豊富にありますが、関西から旭川空港などは夏のみの運行になったり限定的な運用になっているので注意が必要です。
千歳空港からアクセス良好なのは、鉄道にも恵まれる千歳市、札幌市、北広島市、恵庭市、小樽市、苫小牧です。
今後、このエリアはGX産業や北海道新幹線の開通による発展が期待されていますので、物件を吟味したうえで資産形成も兼ねて購入をすることも私としてはアリだと思います。
レンタカーでの移動を前提とするとニセコ界隈や千歳や札幌周辺の田園風景の美しい田舎町も候補になります。
色々な季節に頻繁に北海道に来たいのであれば空港からの移動時間が1時間以内に収まる拠点をおすすめします。
逆にウィンタースポーツや避暑とか特定の目的をもって季節限定で数か月ずっと滞在するような二拠点居住をする場合は拠点選定の自由度が増えます。
長期滞在をするならば、多少移動時間がかかっても目指す暮らしが実現できる場所に拠点を構えるのが良さそうです。
複数の拠点間を移動しながら滞在するという考えもありますが、冬の北海道の滞在は車での移動速度が制限されることから拠点を(道央など)決めたスポット型の滞在が望ましいと考えます。
北海道の横断的移動は思っているより以上に距離があり、時間を要するので注意が必要です。
北海道には本州とは違った、圧倒的な自然と美味しい食、四季折々の魅力があります。
地域の風土や文化を楽しめる心動く二拠点暮らしを提案できるように八清の関連会社(株)SuiTTeが手掛けるSymTurnsプラットフォーム事業で登録拠点の拡大とサービス改善に努めて参ります。
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