観光目線とはまた違った京都をまちブラしながらご紹介します。
暮らす視点で散策すると、また新たな京都の魅力に出会えますよ。
今回は夏ということで、「祇園祭(ぎおんまつり)」と「五山送り火(ござんのおくりび)」をご紹介します。
京都市で暮らす人たちにとっては暮らしの一部と言えるほどどちらも欠かすことのできないとても大切な行事です。
八清からも近いので、毎年7月になるとワクワクします。
「祇園祭」は1ヶ月間のお祭り
京都市に住んでいる方でも、お話しをうかがっていると「祇園祭」がどのような行事か意外と知らないという方も多いようです。
様々なメディアでも紹介されているので、ここでは基本的な事に軽く触れさせていただきつつ、ちょっとマニアックな見方もご紹介したいと思います。
祇園祭はおよそ1150年前の平安時代、京都の疫病退散を祈願して八坂さんとして親しまれている八坂神社(やさかじんじゃ)で始まった祭礼とのこと。
お祭りというと長くても数日間というイメージの方も多いと思いますが、祇園祭は7月1日から31日まで1ヶ月間にわたり多くの祭事が行われています。
さすが日本三大祭りの1つですよね。
1ヶ月の中でも「山鉾巡行(やまほこじゅんこう)」がハイライトの1つです。
次はその山鉾建て(やまほこたて)についてご紹介します。
(山鉾の読み方は、やまほこ、やまぼこ、どちらも言われますが、ローマ字ではyamahokoで統一されているため、ここでは「ほこ」と表記します)
「山鉾建て」は職人技
鉾の土台に当たる櫓(やぐら)は、職人さんが釘を使わず、特別に用意されたわら縄だけで固定する「縄がらみ」という技法で組み建てられています。
建てる時は長年使用されている何本もの柱が1年間保管されている蔵から出てきて、長くて重たい柱をどうやって立てるのだろうと見ていると...
よく見ると道路のあちらこちらに穴が空いているんです。
道路から穴が出現し、滑車を突き刺してテコの原理で長くて重たい柱を立てていました。
あっという間にできてしまうので山鉾建てを見たことがある人も少ないようです。
道路の穴は1年に1度しか使わないため普段は塞がれているのですが、山鉾が建つ「山鉾町(やまほこちょう)」と呼ばれる四条烏丸周辺の道路を歩く際は気にして歩いてみて下さいね。
前祭では10日から14日、後祭は18日から21日まで山鉾建てが行われているので、気になった方は各鉾町の情報をチェックすることをおすすめします。
山と鉾の違いってなに?
山と鉾って何が違うの?って思いませんか?
大きな違いは中央の木なんですって。
基本的に鉾は「真木(しんぎ)」で、山は「松の木」だそうです。
さらに山には「曳山(ひきやま)」と「舁山(かきやま)」に分かれていて、鉾のような豪華な造りの曳山の上にはお囃子の演奏をする囃子方(はやしかた)が乗り込み、舁山には人形が乗っています。
動く美術館「鉾」登れます
豪華絢爛な山鉾は「動く美術館」とも言われていて、巡行前日の14〜16日までは一部の鉾に限り2階部分に上がれます(有料)。
ぜひ豪華な造りを目の前で感じてみて下さいね。
山鉾巡行と神輿渡御
山鉾巡行は、テレビなどで中継される前祭(さきまつり)の17日と、後祭(あとまつり)の24日、計2回行われています。
しかし、お祭りは巡行で終わりではありません。お祭りの主役は夕方から始まる神輿渡御(みこしとぎょ)なんです。
17日の神幸祭(しんこうさい)から24日の還幸祭(かんこうさい)まで、八坂神社から御神霊を乗せた三基の神輿が四条通りの御旅所(おたびしょ)に留まります。
17日と24日には町中をお清めするため「ホイット!ホイット!」という大きな掛け声とともに2トンもの重さがある三基の神輿を上下に激しく揺れ動かしながらまち中を練り歩くのはすごい迫力。
担ぎ手の肩はパンパンに腫れ上がり、その激しさが伝わってきます。1150年もの伝統を守り続ける人の力ってすごいですね。
他にも祇園祭について書いた記事あります!
「祇園祭」昔と今のあれこれ。
祇園祭についてはこちらの記事もご覧ください!
祇園祭と海外ブランドの融合
2021年は後祭の八幡山前で、海外ブランドの「グッチ(GUCCI)」がブランド創設100周年を祝して、京都市の有形文化財に指定されている旧川崎家住宅にて「グッチ バンブーハウス(GUCCI BAMBOO HOUSE)」を開催していました。
写真は八幡山を建てている様子。
右後方の旧川崎家住宅でグッチのエキシビジョンが開催されていました。
このイベントは祇園祭とコラボしていたわけではないのですが、京都の町や祇園祭にとてもマッチしていました。
そして旧川崎家住宅の2軒隣(写真左)には「紙TO和(かみとわ)」というちょっと気になるお店を発見。
何十種類もの和紙が置かれていて、ブックカバーや御朱印帳、灯籠、紙すき体験や御朱印帳つくり体験などもできるので、気になる方はチェックしてみてくださいね。
五山送り火
全国の地方都市でも行われる大文字焼き。京都でいう大文字とは「五山送り火(ござんおくりび)のひとつです。
8月16日に行われる五山送り火は京都四大行事の一つとされ、葵祭(あおいまつり)、祇園祭、時代祭(じだいまつり)とともに京都には欠かせない伝統行事です。
今年もまた新型コロナウイルスの影響で点火は縮小され、燃え上がる炎による送り火の姿は点へと形を変えましたが、お精霊(おしょらい)さんを送り届ける炎としての役目をおごそかに果たしていました。
五山送り火は次の6つの山で行われます。
・大文字:東山の如意ヶ嶽
・妙法:「妙」松ヶ崎の西山、「法」松ヶ崎の東山
・船形:西賀茂の船山
・左大文字:大北山の大文字山
・鳥居形:嵯峨鳥居本(さがとりいもと)の曼荼羅山(まんだらやま)
次々と点火され約30分程燃え続ける盂蘭盆会(うらぼんえ)の行事です。
現代では「お盆」って言いますね。
この五山送り火は毎年8月16日に行われ、京都市登録無形民俗文化財にも登録されています。
今年は祇園祭も五山送り火も新型コロナウイルスにより縮小して行われましたが、一日も早い終息を願いたいですね。
(画像は本来の五山送り火です。写真提供:京都五山送り火連合会)
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- この記事を書いた人八清パーク事務局
- 「暮らし楽しむ、八清でつながる」をコンセプトに活動中。八清に関わる人のコミュニティを作り、町家の魅力、八清な暮らしの魅力を発信しています。
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