観光目線とはまた違った京都を、まちブラしながらご紹介します。
暮らす視点で散策すると、また新たな京都の魅力に出会えますよ。
今回は左京区松ヶ崎周辺をまちブラしてきました。
さて、一体どんなまちなのでしょうか?
北山駅のとなり駅
地下鉄・松ヶ崎駅から地上に上がって北山通りに出ると...山が近い!夕焼けが綺麗ですね。
背の高いビルが多いまち中で仕事をして、地下鉄に少し乗ったらこんな自然が目の前にあって、なんだかほっこりします。
松ヶ崎駅は地下鉄で四条駅から13分、京都駅から17分という通勤にも便利なまちです。
オシャレなまちとして知られる北山駅の一つとなり駅で、人気のお店へお散歩がてら行けるのもいいですね。
北山通りから一本入ると静かな環境で住みやすそうな印象。
車庫付きの一軒家も多く、北山通り沿いには車屋さんやバイク屋さん、タイヤ屋さん、駐車場付きのお店やコンビニも多く、車移動の方が多く住んでいるのがわかります。
五山送り火ー妙法
京都の夏の風物詩のひとつ、「五山送り火(ござんのおくりび)」。
京都に住んでいる方ならご存じだと思いますが、京都市外にお住まいの方だとピンとこない方も多いようです。
よく知らないという方でも「大文字」は知っているという方も多いかもしれません。
五山送り火とは、8月16日に行われる京都四大行事の一つとされ、葵祭(あおいまつり)、祇園祭(ぎおんまつり)、時代祭(じだいまつり)とともに京都には欠かせない伝統行事のひとつ。
その名の通り、京都市内のまちを囲む五つの山に「大文字(だいもんじ)」「妙法(みょうほう)」「船形(ふながた)」「左大文字(ひだりだいもんじ)」「鳥居形(とりいがた)」の五つの文字や形に送り火を炊き上げ、お盆に帰ってきていたお精霊(おしょらい)さんをまたあの世へ送り届ける伝統行事です。
お祭りのような派手な行事とは違い、京都にお住まいの方が送り火が見える場所に出てきて、山に点火された炎を静かに見守ります。
テレビでも中継しているので近くで見られない方はお家で観ているという人も多いようです。
この松ヶ崎では、五山送り火の一つ「妙法」を間近で見ることができる好立地!
「妙」と「法」は別の山ですが、どちらもそれほど高い山ではなく、実際に北山通りから見ると「近い!」と感じるくらいの距離感です。
宝ヶ池公園球技場の北側の山には「妙」が見えます。わかりますか?
その「妙」から東側へ約1kmの山で「法」が点火されますが、真下にある妙円寺(松ヶ崎大黒天)さんにお話しを伺うと「(お寺からは)近すぎて山火事のようで文字は見えないんですよ」というくらいの迫力なんだそうです。
「北山通りまで出て見ると文字が綺麗に見えますよ」とのことでした。
たしかに北山通りからは文字がはっきりと見えますね。
低い山だし登ってみたいなと思いましたが、今は保全のため数年前から入山禁止になっているそうです。
大文字山は登れるので登山してみたい方はぜひ挑戦してみてください。
京都市内が一望できて気持ち良いですよ!
妙円寺(松ヶ崎大黒天)
先ほどお話しを伺ったのは「松ヶ崎の大黒さん」として親しまれている妙円寺(みょうえんじ)。
表参道がこちらです。
妙円寺は五山送り火「法」の山の中腹にあり、山頂を見上げると火床(ひどこ)がはっきりと見えます。
写真の鳥居の左上に「法」の一部が見えますね。
表参道から階段を上がる途中には「大黒殿」がいらっしゃいます。
大黒天は七福神の一神として数えられる神様です。
大黒殿から階段を上がって本堂へ向かうと、立派な大黒天様が鎮座されていました。
御利益がありそうですね。
表面がつるつるになっているので皆さん撫でているのでしょうね。
これをご覧になっている皆さまにも御利益がありますように。
妙円寺(松ヶ崎大黒天)
京都市左京区松ヶ崎東町31
寺務所 9:00~16:30
参拝 9:00~17:00
地下鉄烏丸線松ヶ崎駅から徒歩20分
大黒さんの麓にあるお家
かつて農村地区であったこのあたりには風情ある農家型古民家が点在し、田畑を耕すために引かれた水路も残っています。
地下鉄の延伸などにより利便性が高まり都市化した松ヶ崎ですが、京都の碁盤の目の中のまちとはまた違った味わいのあるまちです。
大黒さんの麓では、八清で手掛けている物件の改修工事が進んでいました。
凍えるような寒さの中、大工さんがテキパキと作業をされていました。
静かな住宅街の中にあり、2階は日当たりが良さそう。
くつろぎながら本でも読みたいですね。
内装はこれからのようでしたが、どんなお家になるのか楽しみですね。
物件周辺には多くの古民家が建ち並びきれいなまち並みに溶け込んでいました。
北山紅茶館
松ヶ崎駅と妙円寺の間には、北山通り沿いにある人気の紅茶専門店「北山紅茶館」があります。
この日は雪が降っていて、雪が落ち着いた頃に訪問したら京都とは思えないロッジ感!素敵ですね。
周りは木々に囲まれていて、ロッジのようなカントリーテイストの可愛い内装。
店内では美味しい紅茶とランチ、スイーツが頂け、癒しの時間へと誘います。
店内は今日も女性のお客様でいっぱいでした。
ギフト商品も揃っていたので、お土産にスコーンとマフィンと紅茶をいただきました。
人気のスコーンは、自宅でリベイクして、バターをたっぷり塗って頂きました。
外はサクサク香ばしく中はふわっとしっとり、ほんのり優しい甘さ。
こんな美味しいスコーンは初めてかも!さすが人気商品です。
ホワイトチョコと木いちごのマフィンは、ザクッと大きめのミルキーなホワイトチョコがゴロゴロ中まで入っています。
ほんのり甘酸っぱい木いちごの香りがプラスされ、チョコたっぷりの生地はしっとり。
どこを食べても美味しい!
紅茶は5パック入りで原産国はスリランカ。
紅茶を注ぐと甘酸っぱい香りが立ち昇りました。
香り豊かなフレーバーティーでピーチ、バラ、マリーゴールドの香りが楽しめます。
渋みも少なくまろやかな味わい。
甘いお菓子とよく合いました。
北山紅茶館
京都市左京区松ヶ崎雲路町6-12
営業時間 10:00~20:00
定休日 水曜日
地下鉄烏丸線松ヶ崎駅から徒歩5分
叡山電鉄修学院駅から徒歩10分
パティスリー クリアンテール(PATISSERIE ClienTele)
北山通りを松ヶ崎駅から北山駅方面へまちブラしてみました。
北山にはオシャレなお店も多いのですが、その中でもひときわ目立つ建物が出てきました。
爽やかなレモンイエローの可愛い建物はフランス菓子の「パティスリー クリアンテール(PATISSERIE ClienTele)」です。
入口の寄せ植えも素敵でメルヘンな雰囲気、2階はカフェになっています。
お土産におすすめの焼き菓子もいろいろ選べますが、苺がたくさんのったホールケーキやハート型など色々ありました。
どれも美味しそうで迷ってしまいますが、今回はケーキと焼き菓子を買って帰りました。
こちらの「クリーム ダックワーズ」はアーモンドの粉で焼き上げられており、「サクッふわ~」と軽くて甘い生地です。
人気商品のキャラメルは、ほろ苦い香りとミルクの優しい甘さがたっぷり。
おすすめのピスタチオは、クリーミーな刻みチョコがたっぷり合わさって、ピスタチオの香りとのハーモニーがたまりません。
美味しかったので、後日フランボワーズとキャラメルを再び購入しました。
フランボワーズは甘酸っぱいクリームと香りが広がった後、チョコの甘さにまったり癒されます。
全13種類もあるので次はどれにしようか楽しみになりますね。
タルトはストロベリー、ラズベリー、ブルーベリーとベリー系フルーツがたっぷりのって、ザクザクしてとっても美味しい!
甘さ控えめなカスタードがプルンとした食感、中のピスタチオがほんのり香るスポンジケーキはしっとりと食べ応え十分です。
ショコラケーキは色々な食感が楽しめました。
ぐるりと甘さ控えめなパリパリチョコのベールに囲まれ、ふわふわチョコ、フランボワーズのピンクなムースと綺麗な層が口の中で溶けるようになくなります。底のスポンジは洋酒がたっぷりと染み込まれ大人な味わいです。
見た目の可愛らしさや食べる楽しみは気分が上がりますね。
コロナが落ち着いた頃に、カフェにもお邪魔してみたいと思います。
パティスリー クリアンテール
京都市左京区下鴨狗子田町5-12
営業時間 9:30~21:30(カフェラストオーダー21:00)
地下鉄烏丸線北山駅から3分、松ヶ崎駅から8分
賀茂川と高野川
松ヶ崎駅から北山通りを西に向かうと賀茂川、東に向かうと高野川があります。
この二本の川が下流の鴨川デルタで合流して鴨川となりますが、北山通りまで上がってくると原風景が残っており、澄んだ川の流れを眺めていると「京都は自然とまちが共生しているんだな~」と実感できます。
こちらは高野川の夕焼け。もしここら辺に暮らしていたら・・・仕事帰りに毎日こんな景色を見られたら一日の疲れも癒されそうですね。
高野川の綺麗な桜と比叡山のコラボレーションが美しいですね。
こんな風景の中を毎日散歩できたらQOL(クオリティ オブ ライフ)が上がりそうです!
今年は京都でもよく雪が降っています。
京都市内で生まれ育った人でも「こんなに雪が降ったのは記憶にない」というほど。
1月に雪が降った日の賀茂川は真っ白で美しい雪景色になっていました。
写真左側は桜が有名な「半木の道(なからぎのみち)」です。
このあたりは何年か前のJR東海「そうだ 京都、行こう」のCMでも映っていて、息を呑む美しさで話題になりました。
真っ白に雪化粧された賀茂川も、まもなく桜の桃色で彩られます。
★引用 Youtubeチャンネル「そうだ 京都、行こう。【公式】」
1,000年もの歴史がある京都では、歴史上の人物も京都の四季を楽しんでいました。
枕草子の冒頭「春はあけぼの」と清少納言が書いた場所もここ京都。
四季を身近に感じられるのも京都のいいところです。
数多くの歴史に思いを馳せながら京都のまちを歩いていたらインスピレーションが湧いてくるかもしれませんね。
芸術や文化を愛する人が多く暮らしているのも納得できます。
みなさんはNHKの朝ドラを観ていますか?
「カムカムエヴリバディ ひなた編」は松ヶ崎からほど近い京都市北区が舞台。
賀茂川のこのあたりも撮影場所になっていますね。
春になって暖かくなったら、るいと錠一郎が座っていた場所や自転車の練習をしていた場所など撮影場所を探しに賀茂川をお散歩してみませんか?
「半木の道」が対岸に見えていたので、北大路橋から北山大橋までの賀茂川の西側の沿道を散策してみると見つかるかもしれません。
松ヶ崎は、観光スポットが多い京都の中ではなかなか訪れない場所だと思いますが、静かな住環境と豊かな自然、五山送り火の山がすごく近く、オシャレなお店が近くにあり、まち中へのアクセスも便利で、とても暮らしやすそうなまちでした。
京都暮らしを考えている方は暮らす視点でぜひ一度まちブラしてみてくださいね。
※2022年2月制作時点の情報です
京都をまちブラしよう!
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