今回のまちブラは「岡崎」です。
この岡崎という地域は、うさぎが氏神様の神使とされる岡崎神社、平安神宮、京都市京セラ美術館、京都国立近代美術館、ロームシアター京都、みやこめっせ、京都市動物園、など京都市民だけではなく多くの観光客も京都や日本の文化に触れられるエリアです。
話題のお店が建ち並ぶ「岡崎通り」で素敵なお店を尋ねながらまちブラしてみましょう!
平安神宮
この平安神宮は、1895年(明治28年)3月15日、平安遷都1100年を記念して、遷都の"おや神様"である第50代桓武天皇をご祭神として創建。
昭和15年には平安京有終の天皇、第121代孝明天皇のご神霊が合わせ祀られ、「日本文化のふるさと京都」の"おや神様"として広く知られるようになりました。
創建前の京都は「幕末の戦乱で市街地は荒廃」していて、さらに「明治維新によって事実上首都が東京へ遷ったことは人々の心に大きな打撃を与えた」そうで、"新しい京都"の模索と同時に"古き良き京都"の維持・継承に力が注がれた結果、京都市民の「情熱」と全国の人の京都に対する「思い入れ」によって、まちおこし事業として平安神宮が創建されたそうです。
こうした歴史を知るだけでも京都の人の思いを感じることができますね。
大きくて立派な大鳥居は、昭和4年3月25日に造られ、当時は日本一の大きさでした。国の登録有形文化財にも指定されています。
平安神宮へは大きな参道が伸びていますが、この辺りは歩道も広く綺麗に整備され、高級住宅街としても人気のエリアです。
一際目立つ大きな鳥居は遠くからでも圧巻で、下から見上げる朱色が青空によく映えます。
平安神宮の南側には京都市民の憩いの場でもあり野球やテニスなど様々な催しが行われている岡崎公園、大鳥居の横には京セラ美術館、京都市動物園などがあり、子どもから大人まで楽しむことができます。
平安神宮
京都府京都市左京区岡崎西天王町
smart center京都
平安神宮の大鳥居をくぐって、岡崎公園と京セラ美術館の間の二条通りを東へ行くと、岡崎通りとの交差点に京都市動物園とオシャレなカフェ「Cafe Dot.S(カフェ「.S」=ドットエス)」、そして「smart center 京都」が見えてきました。
カフェ「.S」は、可愛い車の「smart(スマート)」が飾られたショールームに隣接しており、ひと際目立つおしゃれなカフェです。
この日も店内は女性でいっぱいでした。
コンパクトで可愛いsmartはドイツの自動車メーカーで、1994年に大手時計メーカー「スウォッチ」と「ダイムラー・ベンツ」が共同で始めたブランドです。
入口正面にはsmartの"アートカー"が展示されています。
パネルをよーく見ると、作者は木梨憲武さん・・・?
受付の女性にお話しを聞いてみると「オープン当時にとんねるずの木梨憲武さんが直筆で描いてくれたものです」とのことでした。
世界で一台の貴重な車を間近で眺めながらコーヒーが飲めるなんてさすが、岡崎です。
贅沢!
smart専門店は日本でもこの京都だけということで、しっかりメンテナンスされた認定中古車も展示されており、試乗もできます。
展示車に乗らせてもらいましたが、とってもコンパクトな車なので、「京都の狭い道で運転するとぶつけそうで怖い」という女性でも運転しやすそうで、背の高い男性でも十分な室内の高さが確保されていました。
車内はとにかくオシャレで可愛い!
毎日の通勤もこれなら朝から気分が上がりそうです!
smart center京都ショールーム
京都市左京区岡崎南御所町20-1
Cafe Dot.S(カフェドットエス)
smart併設のカフェ店内は満席で大変賑わっていました。
お忙しい中、店舗責任者の津久井さんに人気店「.S」のこだわりを伺うと、「浅煎り焙煎」という言葉が出てきました。
浅煎り焙煎とはどんなコーヒーなのでしょうか?
「コーヒー好きには深煎り焙煎がまだまだ人気だと思いますが、ノルウェーでは浅煎り焙煎が主流になりつつあるんです」とのことで、浅煎り焙煎を生かしたコーヒーにこだわって提供されているそうです。
浅煎り焙煎おすすめはオーツミルクのカフェラテ
浅煎りでも香りと味わいはしっかり楽しめますが、少し酸味が強いのが特徴。一推しはカフェラテということで、おすすめのオーツミルクのカフェラテを頂いてみました。
なめらかなミルクの中にふんわり香るコーヒーと優しいミルクの甘みで酸味はまろやかになり、とても飲みやすかったです。
月替わりのデザートは「アップルシナモンタルト」「さつまいものタルト」でした(520円)。
3月からは、栗のタルトが登場予定とのことで、毎月楽しめますね。
カフェ「.S」
京都市左京区岡崎南御所町20-1
MtK Contemporary Art
カフェ「.S」の隣には素敵なお庭とアートギャラリー「MtK Contemporary Art」がありました。
ここは以前、smartの展示場として利用されていたそうです。
MtK Contemporary Artは2021年3月にマツシマホールディングスが開廊したコマーシャルギャラリーで、ディレクターで現代美術作家・鬼頭健吾氏の「良い作品を見ることができる場所を京都につくりたい」という思いが一致し、ギャラリーとしてスタートしたそうです。
文化施設が集中する京都・岡崎地区において、国内外で注目を集めるアーティストの個展やグループ展を年6回のペースで開催し、さらに若手作家の紹介・支援を目的とした展覧会プロジェクト「mtk+」も開催。
素敵な建築は、彫刻家・名和晃平氏が主宰するクリエイティブ・プラットフォーム〈Sandwich〉がデザイン監修を務めたそうです。
MtK Contemporary Art
bistro plus(ビストロ プリュス)
先ほどのカフェ「.S」と、京都で人気のうどん店「山元麺蔵(やまもとめんぞう)」との間にオシャレなレストラン「bistro plus(ビストロ・プリュス)」がオープンしました。
今年の冬は特に寒く感じられますが、京都でも珍しく降り積もった大雪の翌日、1月26日にオープンしたそうです。
こちらは八清が保有する物件で、ご入居時から前を通るたびに出来上がっていくのを拝見しており、オープンを心待ちにしていました!
フランス料理をベースに京都の地の物にこだわり京都らしさを加えたシェフオリジナルの料理を出されています。
店名の「プリュス」とはフランス語で「プラス」のことで、様々な素材や国、料理やエッセンス、沢山の出会いを「プラスして新しいビストロをご提案したい」そんな思いが込められているそうです。
ホテル業界からオシャレなレストラン開業へ
オープン直後でお忙しい中「良い機会を頂きまして」と謙虚な物腰に品を感じる店長の大森シェフは、東京の帝国ホテル、ハイアットグループ、フォーシーズンズなど一流ホテルで腕を磨き、長年フレンチのシェフを務めておられました。
ご結婚を機に奥様のご実家がある京都に来て6年。
ご縁があってマツシマホールディングスの新店舗をオープニングから任される事になり、ホテル業界からオシャレなレストランの責任者として新たな一歩を踏み出しました。
系列の名店でホールから勉強
マツシマホールディングスは自動車事業から始まり、今ではアートや飲食店など多業種展開をしていて、祇園の和食・寿司「路地との本」、天ぷら「ぎをん藤」、イタリアン「リストランテt.v.b」、先ほどのカフェ「.S」などを運営しているそうです。
大森シェフは、ホテル業界で何度もオープニングスタッフを経験してきたそうですが、新店舗オープン前には系列店でホールを勉強され、現在は自らホールに立たれています。
「ホールスタッフも募集中です」と言われていましたが、新しいお店に来て下さるお客様と積極的にコミュニケーションを取られている様子が伺えました。
キッチンやホールを任せているスタッフさんたちは、実は以前からホテル業界で一緒に仕事をしてきた仲間で構成されており、信頼感があるのが伝わってきます。
ビストロ・プリュスでは、名店仕込みの地元食材の仕入れや、系列のイタリア店のソムリエがセレクトしたワイン、先ほどのカフェ「.S」からプリュスのオリジナルコーヒーを焙煎してもらったりと、グループ店ならではの「プラス」の要素を感じます。
オシャレなインテリア
店内は古民家を綺麗に改装されていて、梁や空間の趣を残しつつ、よく見ると全部の柄が違う一点物の照明や素敵なアートで華やかに演出されていました。
実は飾ってあるアートはどれも購入可能な作品で、現代アートギャラリー「MtK Contemporary Art」に関連するアーティストの作品です。
床には世界中から集めた天然石が散りばめられていて、窓ガラスにも小さなトランプのアートが透き通っていて素敵でした。
大きな絵画は「竹村京氏、鬼頭健吾氏,2023」の共同作品、トランプは「竹村 京氏,2023」の代表作でした。
遊び心ある高級な内装ですが、どこか落ち着きある空間に仕上がっているのは古民家がなせる技なのでしょうか。
木漏れ日が差し込むような優しい光で居心地の良い場所に仕上がっていました。
気軽に立ち寄れるカジュアルフレンチに
大森シェフはホテル業界でも3店舗ほどオープニングからたずさわり、今回もその経験が役に立っているそうです。
それでもキッチン以外は初めての事も多く、「日々勉強で大変です」とおっしゃっていましたが、オープンしてから2週間程の忙しい時期にも関わらず、落ち着いた様子で今後の展望までお話いただきました。
今後は、ご近所や観光客の方々、マツシマホールディングスのお客様をはじめ関わる方々などにも気軽に来て頂けるようにと、ランチはカジュアルフレンチとして2,000円前後で提供していくようです。
おすすめは、スパイスカレーの鶏モモ肉のコンフィ炭火焼(1,800円)。
じっくりと炭火で焼いたチキンに京野菜と見た目にも豪華な盛り付けで気分があがります。
これまでのフレンチの経験を生かして、みんなでシェア出来る煮込み料理や、気軽なおまかせコース(6,500円)からフルコース(15,000円)までラインナップ。
お一人様でも気軽に来れるようにカウンター席もあり、アラカルトや生ハムにワインを一杯とご近所の方も立ち寄って行かれるそうですよ。
半個室の4名席や、吹き抜けの上の2階は12名までの催事にも使ってもらえるようにと、席やライトも移動出来るように工夫されていました。
親族の食事会やちょっとした仲間の集まりにもちょうどいいスペースです。
オープン直後のお店にとって気になるのは集客ですが、店舗周辺はとても良い環境のようです。
「この辺りは落ち着いた雰囲気で素敵な場所です。
(目の前の)岡崎公園ではフェスが行われると家族連れが集まり、みやこメッセではイベントが開催され、京セラ美術館もあるのでカップルも多く、最近は外国人観光客も増えてきました」
「夜になるとグンと静まり返りますが、(春は)ライトアップやイベントなんかも増えてくる時期に期待しています」。
お花見シーズンの頃には、外で食べたい人向けにテイクアウトも考えていらっしゃるとか、シェフのアイデアが満開になる春が楽しみです。
bistro plus (ビストロ・プリュス)
京都市左京区岡崎南御所町34
11:00~15:00(14:00 LO)、17:00~22:00(21:00 LO)
定休日 月曜日、第2・4火曜日 ※祝日の場合は翌日がお休み
075-748-1130(電話でもネットでも予約可能)
◆京都市営地下鉄東西線「東山」駅下車1番出口 徒歩約10分
◆京阪電鉄「神宮丸太町」駅下車2番出口 徒歩約13分
◆市バス32系統、46系統、「岡崎公園 ロームシアター京都前」下車 徒歩3分
◆市バス5系統、100系統、110系統「岡崎公園 美術館・平安神宮前」下車 徒歩約5分
◆市バス31・201・202・203・206系統「東山二条・岡崎公園口」下車徒歩約7分
山元麺蔵(やまもとめんぞう)
京都で人気のうどん店のひとつが「山元麺蔵(やまもとめんぞう)」です。
こちらはいつ行っても並んでいるほど人気のお店で、この日も寒い中、行列が出来ていました。
満席のため取材はできませんでしたが、「美味しいうどんが食べたいな~」という時にはぜひこちらも候補の1つにしてみてください。
山元麺蔵(やまもとめんぞう)
京都市左京区岡崎南御所町34
照明専門店「タチバナ商会」
smartとカフェ「.S」の北隣にある「あかり専門店」タチバナ商会さんを訪ねてみました。
八清でもよくお世話になっていて、"本物"にこだわった「アンティークの照明専門店」です。
店内は年代物の和の照明が所狭しと並んでいます。こんなに色々あるんですね。
博物館に来た気分です。
アンティークな照明は古民家の店内にもピッタリ!
年代物には年代物がやっぱり合います。
数ある中から「珍しい」とお勧めいただいた緑色の照明や、削り出された木枠やガラス、どれもが貴重な一点ものです。
優しい光で心温まるようでした。
オーナーによると、電気は修理ができるので一生もの、電気のコードは30年ほど持つそうです。
2階には大きな照明もあり、どれも味わい深い作品のようでした。
昔は電球も直す職人がいて、全てが土に還る作りだったそうですよ。
明治から受け継がれてきたお店は、岡崎から先斗町へ移った時期もあったそうですが、その後また岡崎へ戻られ、昔からの生活の知恵を大事にしながら過ごされているそうです。
今世界でSDGsが広がりを見せていますが、オーナーのお話を聞いていると、昔の日本の暮らしはSDGsそのもので、貴重なものだった事を今更ながらに感じました。
全てLED電球にも対応しているとのことですが、やはり昔ながらの電球の方が温かみのある明るさでした。
お店には昔の日本の暮らしを大事にされてるお客様も多くいらしているようで、情報交換の場にもなっているみたいです。
現在では日本のアンティーク照明は大変人気で、外国の人が沢山買って行かれるようで、日本での在庫が少なくなってるとのことでした。
ネットで出回っている高額なものよりもお値打ちなものが多いそうですよ。
丁寧に修復されている一点物が多いので、気に入った物は見逃さないよう、お早めのご購入をお勧めします。
明治・大正・昭和初期の照明器具専門店「タチバナ商会」
12:00~18:30、定休日 日曜日
大安(だいやす)
京都のお土産と言えば必ず上位に入ってくるお漬物。
昔から馴染みの漬物屋さんを持ってる暮らしは京都ならではですね。
京都の中でも「大安」さんは老舗の名店。
明治35年創業で、特に千枚漬は皇居献上品・京都銘品として愛されてきました。
親族からも「漬物のお土産なら大安さんで!」とリクエストをもらうほど、我が家でも馴染みのある味です。
本店にお邪魔するのは、初めてです。
建物から風格が漂ってくるような重厚感で、ディスプレーには看板商品でもある「千枚漬」が展示されていて、時代の歴史を感じ取れました。
千枚漬は京野菜の「聖護院かぶら」を薄くスライスし、伝統手法の下漬・本漬の工程を経て漬け込まれたもの。
聖護院かぶら本来の優しい甘みと北海道産昆布の旨味が溶け合い、とろっとした舌触りとシャキシャキした歯応え、後味はさっぱりとお料理の箸休めにもお勧めです。
千枚漬は夏場は売っていないため、店頭で見つけたら是非お試しください。
店内は広々とし、お味見も出来るように用意されていました。
漬物以外にも京都の老舗の土産が陳列されていて、どれも喜ばれそうなセレクトです。
目に止まったのは(株)石野味噌の白味噌。
京都が白味噌の発祥と言われており、平安時代からあったそうです。
初めて知りました。
お味噌汁は欠かせないのでさっそく白味噌を買って飲んでみましたが、優しい甘さと大豆の旨みが広がってとっても美味しいですね。
寒い日にはピッタリでした。
大安
本店 9:00~18:00(年中無休)
京都市左京区岡崎南御所町45(平安神宮東)
週末には岡崎公園でイベントが催されていたり、美術館に行ってみたり、京都で暮らしていると何かと訪れる岡崎エリア。
あらためてじっくりとまちブラしてみて素敵なお店をたくさん発見できたので、訪れる回数が増えそうです。
まちブラマップ
※2023年2月制作時点の情報です
京都をまちブラしよう!
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