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今回は京都御所の東側「御所東」をまちブラしてきました。

1200年の歴史や伝統の文化も感じられるまちブラでしたよ。

取材日は6月上旬、まだ関西は梅雨入り前でしたが、気温は30℃を超える日もちらほらと、初夏なのに例年に増して気温が高く感じますね。

この日はお天気にも恵まれ晴天で、長袖シャツだと少し暑いくらいでしたが、風もあり過ごしやすい一日でした。

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さて、まずはバスで「府立医大病院前」に降り立ち、スタートです。

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病院の奥には五山送り火の大文字が見えますね。

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バス停は京都府立文化芸術会館の前で、この辺りは歴史や文化に触れる場所も沢山あります。

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河原町通りは人も車もたくさん行き交い活気がありますが、大通りを一本入ると、一変して閑静な住宅街を吹き抜ける風が木の葉を揺らしすれる音だけが聞こえてくるくらい静かです。

歩いていても時折すれ違う人がいるくらい、ゆっくりとした時が流れているようでした。

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近くに京都府立医科大学の広小路キャンパスもあり、お弁当屋さんのキッチンカーが止まっているのも見かけましたよ。

美味しい名水が湧き出る梨木神社

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京都迎賓館の脇には梨木神社(なしのきじんじゃ)があります。

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見事な大木が青々と生い茂っていて、合間に大きな紫陽花を所々で見かけました。

季節の移ろいを感じられる草花を京都では沢山目にする機会があるので、それも散策時の楽しみの一つです。

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面白いことに、梨木神社の鳥居の奥には立派なマンションが建っていました。

鳥居と鳥居の間に建っているマンションは初めてみましたが、木々に囲まれて過ごしやすそうです。

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迷路のように神社の入り口を探して、たどり着いた場所はなんだか神様の隠れ家の様です。

木漏れ日に新緑の葉っぱがきらきらと照らされて綺麗です。

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木のトンネルを抜けると、ゆっくりとお茶が頂けるカフェスペースもありましたよ。

京都の中心地とは思えない程静かでとっても落ち着く場所でした。

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こちらの梨木神社の御神水である『染井の水』は、京都三名水『染井(そめい)、佐女牛井(さめがい)、縣井(あがたい)』の一つで、いまだ枯れずに現存する唯一の名水です。

「染井」の名称は1,000年以上使われてきているのではないかと考えられているそうです。

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梨木神社は明治18年(1885年)に創建されましたが、境内は平安時代前期の9世紀後半に栄えた藤原良房の娘、明子(あきらけいこ・文徳天皇の后で清和天皇の生母)の御所として使われ、宮中御用の染所で『染井の水』が用いられたと言われているそうです。

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隣にあるカフェ『Coffee Base NASHINOKI』では、名水で入れたコーヒーが頂けるようですよ。

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また梨木神社は萩(はぎ)の名所としても知られ、毎年9月に行われる『萩まつり』の頃には多くの参詣者で賑わうそうです。

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初代『萩の会』会長は日本人初のノーベル賞受賞者の湯川秀樹博士が務められ、その生涯のほとんどを京都で過ごされたそうです。

晩年過ごした湯川邸宅はつい先日記者会見が行われ、建設大手企業から京都大学に寄付され、『下鴨休影荘(しもがもきゅうえいそう)』と命名されました。

京都大学を訪れた賓客や研究者らを迎える迎賓施設として運用されるそうです。

設計は建築家の安藤忠雄氏の事務所が寄付として手がけており、市民にも公開される計画もあるようですよ。偉人の愛した萩も邸宅も見てみたくなりますね。

梨木神社

京都市上京区寺町通広小路上ル

市バス『府立医大病院前』から徒歩約3分

地下鉄烏丸線『丸太町駅』1番出口から徒歩約20分、『今出川駅』3番出口から徒歩約20分

京阪電車『神宮丸太町』1番出口から徒歩約15分、『出町柳』2番出口から徒歩約15分

Webサイト

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Coffee Base NASHINOKI

梨木神社境内

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紫式部邸宅跡:廬山寺(ろざんじ)

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梨木神社の向かい側には、紫式部の邸宅として有名な『廬山寺』があります。

正式には『廬山天台講寺(ろざんてんだいこうじ)』と言うそうです。

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ここは紫式部が1,000年も前に源氏物語を執筆した地としても有名で、平安京の東に接した中河(中川)と呼ばれる地にあり、源氏物語の中にも登場する『花散里』の屋敷はこの辺りだと言われています。

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紫式部自身はこの地で育ち、結婚生活を送り、一人娘の賢子(かたこ)を育てたといわれています。

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廬山寺には『源氏庭』があります。源氏庭は平安朝の庭園の「感」を表現したもので、大きな庇のある縁側から白砂と苔や木々の揺らぎを感じる事ができます。

時間を忘れて立ち止まってしまいました。

ずっと眺めていられます。

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源氏物語に出てくる朝顔の花は今の桔梗(ききょう)のことだそうで、紫の桔梗が咲く姿を6月末から9月初め頃まで源氏庭で見る事が出来るそうですよ。

今話題のNHK大河ドラマ『光る君へ』は益々盛り上がってきていますが、主人公の女流作家・紫式部はこの地で夫(宣孝)の亡くなった後に『源氏物語』を執筆したそうです。

廬山寺

京都市上京区寺町通広小路上る北之辺町397

Webサイト

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受け継がれし物語:京都市歴史資料館

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さて、寺町通りを南へ歩いていると、「開館中入場無料」の立て看板が目に入りました。

何の建物か一見分かりにくいのが京都らしさなのかと最近覚えました。

立て看板に「京都と源氏物語」と見つけ、これはタイムリーな話題だと思い、立ち寄らせて頂きました。

一目で年代物だと分かる資料が綺麗にケースに収められ、現代地図を頭に思い浮かべながら、歴史地図に見入って比べていました。

多くの歴史資料が今なお残っているのも京都の魅力ですね。

いつの世も源氏物語は人気だったようで、源氏物語を写し書きされた書写年不明の物から江戸時代の物まで、かなり昔の書物が展示されていました。

歴史好きさんにはたまらないお宝書物が2階にはまだまだ沢山あるようでしたよ。

そちらは閲覧申請が必要になります。

京都市歴史資料館

京都市上京区寺町通荒神口下る松蔭町138-1

入館無料

Webサイト

法成寺跡

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寺町通りをさらに南へ行くと、京都御苑の近くに高校のグラウンドがあり、そこには藤原道長の邸宅『土御門第(つちみかどてい)』や彼が建立した『法成寺(ほうじょうじ)』があったそうです。

紫式部が女房として仕えた道長の娘、彰子は後一条天皇の生母で一条天皇中宮です。

土御門第では後一条天皇誕生後の祝儀が盛大に行われたそうです。

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こんな重厚感の門構えの高校を他に見た事はありません。

さすが京都、歴史の重みを感じますね。

アットホームなフレンチ:シェ・キクスイ

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さて、お楽しみのランチタイムに訪れたのは『Chez KiKuSui(シェ・キクスイ)』です。

エンジの看板に洋風な店構え、沢山のお花に囲まれて南仏を思い出す様な可愛い雰囲気です。

中に入るとちょうど出てこられたシェフが明るい声で案内して下さり、窓辺の席へ座る事が出来ました。

人気のお店と聞いていたので、最後の1席に座れた事はラッキーでした。

満席の店内は、シンプルな装飾ながら清潔で洋風な香りを感じる絵や置物にセンスを感じます。

長年この地で営業されているそうで、この日もご近所の人がいらしているのが分かりました。

まちに愛されているのが伝わりますね。

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最初にたっぷりサラダをいただいていると、自家製のパンを出していただきました。

トマトとバジルの入ったパン、くるみやベーコン、山椒と全て味が違いました。一味変わっていて食べ応え十分です。

毎朝お店で仕込んで焼いてるそうで手間暇かかっていますね。

「沢山食べて下さいね」とおかわりも出して下さり、美味しくてついつい手が伸びました。

この日は、ごぼうのスープにスズキのポワレを頂いてきました。

皮はパリパリでふわっふわの白身魚はバジルやピューレのソースがよく合います。

マッシュポテトもとってもクリーミーで、どれもほっこり癒される優しい味で美味しかったです。

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食事を終えると皆さんシェフに笑顔で挨拶され、店前のお花を撮影されて帰って行かれるのが印象的でした。

シェフの明るさも人気の秘訣ですね。

お忙しい中、気さくに話して下さり、なんだか元気まで頂き明るい気持ちでお店を後にしました。

Chez KiKuSui(シェ・キクスイ)

京阪電車『神宮丸太町』徒歩7分

時間 11:30~14:30

定休日 不定休

075-252-2697

鴨川

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食後はちょっと鴨川まで出て木陰で一休みなんていかがでしょうか?

お店の前の信号を渡り、荒神橋に向かう手前に河原へと続く道があります。

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小鳥のさえずりを聴きながら、鴨川の流れを見ているだけで、涼しくなってきます。

ベンチが所々置いてあるので、手ぶらでお出かけ出来るのも嬉しいですよね。

お散歩日和で市民の憩いの場になっていました。

カラフルでポップな和菓子屋:UCHU(ウチュウ)

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鴨川で一休みした後、また寺町通りに戻って散歩していると、大きなガラス窓一面にカラフルで可愛らしい魚が!

町家を改装したカラフルでポップな和菓子屋さんです。

事前にチェックしていましたが、和菓子屋のイメージにはない店構えに驚き、思わず場所が合っているのか再確認しました。

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季節ごとにディスプレーを変えられているそうで、夏はポップな魚たちが元気にお迎えしてくれます。

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店内は新たにカフェスペースを大きくし、町家をおしゃれに改装して2024年3月にリニューアルオープンしたばかりです。

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天井の杉の木に京都ゆかりの職人さんが作ったオリジナルオーダーの椅子やテーブルがとてもマッチしていて、優しい温もりを感じます。

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可愛いらしく見た事のないカラフルでポップな落雁(らくがん)がショーケースに並んでいました。

落雁は砂糖や米粉を木型で押し固めて作る伝統的なお菓子ですが、京都ではお茶菓子として頂く機会もよくあります。

幾つか味見もさせて頂きましたが、今までにない落雁の美味しさにびっくりしました。

ジャスミン味は華やかな甘味、プレーン味もシュワ~と溶けて贅沢な和三盆の上品な甘味が広がります。

その他、抹茶やココア、きな粉など、色んな味が楽しめるのも新しいですね。

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木型は山桜から切り出して職人さんが一つ一つ手彫りで仕上げた一品物です。

細かい線まで均等に並んだ木型に手作業で一つ一つ丁寧に落雁が作られ、食べるのがもったいないくらい可愛い出来栄えです。

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オーナーご夫婦は元々デザイナーをされていることから、和菓子をデザインから考えて作るそうで、どれも素敵な商品で目移りしてしまいましたが、夏限定商品『fukiyose』を購入しました。

くじら、浮き輪、雲、貝がら、アイスクリームに海を思わせるブルーの金平糖、夏らしいデザインでプレゼントにも喜ばれる人気の商品です。

あまりの可愛さと細かさにしばらく眺めてから頂きました。

ブルーの金平糖はソーダ味でした。

シュワ~と溶ける落雁と爽やかなソーダ味の金平糖がボリボリと口の中で混ざり合って、これはまさしく「クリームソーダやぁ~」と思わず笑顔になる楽しい食感です。

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こちらでは、抹茶付きの「らくがんつくりワークショップ」も開催されていますよ。

所要時間は1時間程で、定員は6名、参加費は3,500円です。

予約制なので、事前に開催日の確認と予約が必要です。

自分で作ったお菓子はお持ち帰り出来ますよ。

ワークショップの詳細は下記に記載のWebページからご確認ください。

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カフェメニューには茶問屋の老舗『山政小山園』とのコラボメニューがあり、抹茶やほうじ茶を使ったスイーツも人気です。

山政小山園は、文久元年の創業で江戸時代から160年、京都宇治で自園を持ち、栽培から製造まで一貫した茶づくりを行う老舗茶問屋さんです。

こちらでは山政小山園の商品も購入出来ますよ。

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カフェ時間は終わってしまっていたので、ほうじ茶を買って帰りましたが、香ばしい香りにさっぱりとした味わいで和菓子によく合います。

UCHU wagashi 寺町本店

京都市上京区寺町通丸太町上る信富町307

京阪電車『神宮丸太町』徒歩7分

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まちブラマップ

京都らしさと自然がいっぱいの散歩が楽しいエリアでした。

のぞきたいグルメスポットもたくさんあったのでまたまちブラしたいと思います!

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※2024年7月制作時点の情報です

京都をまちブラしよう!

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