今回は京都に限らず、マイホームを持つことのメリットが大きいことを、女性の視点から説明します。
最近マイホーム購入の相談を受けることが多いのですが、総じて家が欲しいと考えだすのは、結婚するタイミング、あるいは子どもができたというタイミングが多いようです。
私からの提案として、シングルの間にマイホームを買っておくのも有利な方法と思っています。
特に最近では女性が働き続けるのはあたりまえになりました。
仕事を持つなら、自分の生活の基盤になるマイホームが整っていることは大切です。
また結婚・出産するにしても、女性が自分の財産を築いておくのは重要なことだと思います。
そのためにもシングルの間にマイホームを持つのは賢い選択だと思います。
まずマイホームを持つメリットは「リフォームが自分の好みでできる」、「家族構成が変わっても対応しやすい」、「住宅ローン控除で税金が安くなる」、「団体信用生命保険が生命保険の代わりになる」、そして「資産形成ができる」というメリットが考えられます。
20代でマンションを購入した私自身の経験も含めて、解説したいと思います。
その1 資産形成という視点でマイホームを購入できる
購入を相談されて物件をすすめる際に、実は本人の希望や嗜好ではなく、家族の意見やパートナーの事情に左右されて、自分の欲しい物件が買えない、結局物件購入自体をあきらめるという例がたくさんあります。
結婚、出産、子育て...と、女性は人生にいくつかステージが変わる場合があります。
住まいは生活と密着しているので、なかなか自分の意見が通らない場面もあります。
昔は「女三界に家なし」と言われ、幼い時は親に従い、嫁に行っては夫に従い、老いては子に従わなければならず、女性にとって自分の采配がどこにも安住の場所がない、といったバカなことわざがありました。
こんな女性蔑視の考え方は早くなくなってほしいものです。
自分のマイホームとしての基本機能はもちろん、将来の資産形成での不動産として価値を冷静に見極められるのは、意外に独身の時かもしれません。
私が考える「住んでよし、貸してよし、売ってよし」というマイホーム購入3原則は、冷静な目で取り組んでこそ。
なるべく自分自身が納得できるときにマイホームを考えましょう。
その2 会社員という立場は住宅ローンの金利が安い
シングルなのに家を買うというと、周りに「もう結婚しないのか」と言われることがありました。
住まいというのはシングルだろうが結婚しようが、一生必要なものです。
親の家が勤務先に近く、将来にわたって、自分だけの家を購入する必要がない人は別ですが、親元を離れて暮らす人にとって、住居費はずっと払い続けなければならない必要経費です。
○家賃8万円の賃貸に35年住み続けると...
8万円×12ヶ月= 96万円×35年=3360万円
※別に敷金礼金、更新料、引越し費用 etc...
3360万円も家賃を払えば、十分に住まいが買える金額になりませんか。
また気を付けておきたいのは、仕事をしている間にマイホームを買うのが有利だということです。
結婚後も仕事を続けるなら大丈夫ですが、退職したり、パートになると、住宅ローンはなかなか貸してもらえません。
また独立して起業したりフリーランスになると、住宅ローンはかなり不利になります。
借りることができても金利がかなり違うのです。
30年を超えるローンを組む場合、その差は大きいです。
会社員として働いているうちに家を買うメリットは大きいのです。
○家賃と住宅ローンの返済額を比較してみると
毎月支払っている家賃を住宅ローンの支払いと想定した場合どれくらいの金額が借り入れられるかご確認ください。
※返済期間35年、元利均等返済の場合を想定しています。ローンの借り入れは属性により変動します。詳細は金融機関にお尋ねください
その3 「保育園問題」に振り回されるときは購入を控えるべき
子どもを保育園に預けて働きたいので、保育園に入れる場所で購入したいという相談に来る方が実は多いです。
確かに「保育園問題」は切実ですが、人生の中ではわずか数年のことです。
短い期間に必要な条件がマイホーム選択の視野を狭くしてしまう可能性があります。
購入条件をいろいろ考えていたのに、最終的に保育所に入れるか入れないかが最重要条件になってしまうほど思いつめる方がたくさんいます。
客観的に見て、「魅力的な物件なのに、保育園が見つからないから購入を辞める」、あるいは「将来の資産性が低いのに購入してしまう」ということが起こりやすいのです。
資産形成や将来設計を冷静に考えられるシングルのときに物件を購入しておいて、子どもの保育園や通学が重要なときは、マイホームを貸して、自分は賃貸を選択してみるのはどうでしょう。
子どもが小さいときは広い庭のある郊外で暮らす。
賃貸料もそういった郊外なら思いのほか安いです。
マイホームを買ったから、そこに住み続けなければならないというわけではなく、生活様式に合わせて、賃貸に出す、再び住む、売却する、など自由な発想で住まいと付き合うことが重要です。
その4 シングル女性こそ設備の整った住まいを選ぶべき
やはりマイホームを購入する大きなメリットは、設備や間取りが自分の好きなようにカスタマイズできることです。
賃貸用に作られた物件に比べて、設備が整った環境で暮らせることは生活の満足度が高くなります。
料理好きならキッチンにこだわる、家で仕事したいならワーキングスペースを快適にする、ガーデニングが趣味なら庭やバルコニーにスペースをつくる、etc... 。
マイホームだからこそ、自分好みの空間を作ることが可能です。
私の場合、はじめてマイホームを買ったとき、広くなったキッチンで料理をつくるのが楽しくて、友人を招いてホームパーティを開いていました。
また日本は世界的に見ると安全な国と言われていますが、それでも泥棒や痴漢、ストーカーの事件は耳にすることが多いです。
シングル女性こそセキュリティ重視の家に住む必要があるでしょう。
やはり一般的に賃貸よりマイホームのほうがセキュリティに関してもしっかりしている場合が多いようです。
最近の分譲マンションはオートロックが設置されている場合が多く、一戸建ての場合も、鍵を二重にしたり、セキュリティ会社と契約したり、工夫することができます。
その5 女性が欲しいと思う家は人気が高い
最近、シングル女性でマイホームを購入した方たちに話を聞く機会が多かったのですが、総じて女性は細かい点までチェックしていることが多いです。
駅から家までの近さはもちろん、歩いてみての環境のよさ、買い物施設を始めとした利便性はもちろん、その施設の内容、住まいの間取りはもちろん、収納や動線などの住まいの細かいところまで気にされて選んでいます。
以前、マンションの広告を作っていたとき、思い切りシングル女性向けの広告をつくり、周辺環境や設備の細かい点まで伝えたら、実は男性が最初に買ってくれたという経験がありました。
夫婦で住まい選びをするときも最近は女性の意見のほうが大きい傾向があります。
女性の視点で選び抜いたマイホームは、たとえ後々売却したり、賃貸に出したりしても人気が高いことが多いのです。
また何よりも、自身が住み続けられる家があるということは、今後の人生において大きな安心材料となります。
仕事をする上での責任感と自信が生まれます。
住宅ローンを組むことで、世界の経済や社会状況により敏感になります。
また独身の高齢者は賃貸住宅を借りづらくなるとも聞きます。
総じて寿命の長い日本女性はいずれ単身になることが多いと思います。
そうした環境下でも住み続けられる家があるということは、経済的にも精神的にも安心感につながります。
そのためにも資産価値の落ちないマイホームを冷静に判断して購入しておきましょう。
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