蔵のある家(2014年)
シアタールーム、書斎、Bookbar、Caféやギャラリーを開いたり。
邸宅街“下鴨”にある蔵を持つ住まい。
蔵を包み込むように建つ独創性の高い建物。
敷地手前に蔵が建つ珍しい形状を活かし、
蔵の入口を居住空間から切り離すことで、店舗から書斎まで、
様々な使い方が楽しめる贅沢な住まいを作りました。
蔵の内部は狭く閉鎖的だった2階の床板を取り払い、
天井まで吹き抜ける大空間へ。
頭上を見上げると、築112年(明治35年築)の
深い歴史を刻む棟木が豪快に横切ります。
レトロな建具を壁に引き込んで、部屋の中にいながら
外の新鮮な空気をたっぷりと取り込む贅沢なリビング。
蔵を回り込むように作られた廊下が玄関からの視線を遮り、
開放的でありながら、プライバシーが保たれた落ち着きのある空間と
なっています。
料理好きな方にもご満足いただけるようキッチンは大きめに作り、
背後に洗濯室を兼ねたパントリーを設け、
家事をスムーズに行えるよう配慮しました。
コンクリートの表情と質感にこだわった浴室はプライベートガーデンに隣接し、
扉を開放することで贅沢なバスタイムを楽しむことができます。
両開きのレトロな扉は、古い建具をこの家のためにアレンジしたものです。
まるでリビングの壁の中に埋め込まれたように、空間に溶け込む階段。
各階の独立性を保ちながら、住まいとしての一体感作り出します。
頭上から落ちる天窓の光が厚みのある壁に柔らかく反射し、
1階までほのかな明るさを届けます。
暮らしやすく考え抜かれたシンプルな間取りに、
しっとりと艶やかで厚みのある素材が彩りを添える
ゆったりと贅沢な大人の住まいです。
中と外、縦と横、陰と陽など
相反する様々な空間が緩く立体的に繋がる空間が、
落ち着きと居心地の良さを感じさせてくれます。
(担当:暮らし企画部 落海達也)