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工事も仕上げの段階に入っている2月上旬の現場で、工務店さんと設計士さん、土堤内が話しています。
土堤内:以下、土/CCR702さんは、いつも面白いモノづくりをされますよね。大人の遊び的な?会社なりの基準みたいなものがあるんですか?
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CCR702 上田:以下、上/うちの会社、社長の坂田と工務店の社長(平尾さん)の二人がずば抜けてるんですよね(笑)その社風を引き継いでるっていう感じですかね。僕ら一個人で見たら、大したことないですよ?今回のビル男のタイトル、あれも社長の案です。
土/そうなんですね。坂田社長ワールドっていう。
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上/そうです、基本それがあって、僕らはそこに追従していく形なんですけど。基本雑談の中から生まれるっていうか、僕らがそれを見て、面白いやん、ていう風な方に最終の意思決定がされますよね。どっちかというと。
土/面白いって感じるかどうかなんですね。基準があるとか、そういうもんじゃないですね。
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上/まったくないですね。
土/あくまでも、みんなが面白いと思ったものに対して寄って行く、ふくらましていく感じでしょうか?
上/うちの社長、みんなで集まって何かするのが好きなんですよね。バーベキューをしたり、お酒飲んだり。そういう、人を楽しませたい精神があるんかな、根底に、と感じたりはしますけどね。
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土/森田さんは、この物件にひそかに込めたこだわり、みたいなものはありますか?
設計士 森田:以下、森/何だろう…(しばらく考えて)強いていうなら、あえて壁をぼこぼこ増やしているところがあるんです。すっきり収めるというより、あえて凸凹にしているところがあって。
土/え?どの辺りですか?
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森/ここの収納とか、棚とか…それは、開口が大きいので、こっちの光を受ける、影、みたいなイメージで。
上/なんか、壁の角を丸くするか角ばらせるか、ノリで決める、とか聞きましたよ。こっちは丸く、こっちは角で、みたいな。
森/窓の横の壁はちょっと考えました。2階はパシッと景色を見せたいなと思って。
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上/あれは?江戸時代の言葉で、灰色を指す言葉があるんですよね。
森/四十八茶百鼠(しじゅうはっちゃひゃくねずみ)のことですね。微妙な色味の違いで、それくらいたくさんの茶色、灰色があったという話なんですが、色の見分けというか、日本人の感性ってすごいな、というか。
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森/最初のころに話してたんですが、日本的な要素も取り入れたいと思っていて、さっきの陰影をつける話もそうですが、ひょうたん型の引手を付けてみたりして。
土/完成したら、そういったことを探す楽しみもありそうですね。
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土/最後に、この場所を自分ならどんな風に使いたいか、聞かせてください。
森/屋上映画かな。
上/うちにも屋上があって、流しソーメンとか、プールとかしましたよ。コストコで2m四方のやつを2つ買ってきて、並べて。
土/すごいな、大きいですね(笑)
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土/1階はどうですか?
上/小さな本屋さんとか、純喫茶、いいですね。サイフォンでコポコポ言いながら珈琲を淹れるような。
土/いいですね、完成がますます楽しみになりますね!
それでは、こんなとこで今日は終わりましょうか。引き続きよろしくお願いします!
(おわり)
鉄骨3階建てのビルをリノベーションします。
そのビルは、とても気持ちの良い場所に建っています。
窓の外にはわさわさ繁る街路樹の緑。緑の下には川の流れる公園。
ビルには、緑の眺めを切り取る大きな窓を設けます。
たまには外に出て散歩もするけれど、家の中に居ながら贅沢な緑を楽しむ。
プロジェクトの名前は「緑川ビル男」