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住用鉄骨の家

 

 2010.9.27更新  
見事な借景

ビルって何だか味気ない・・・?いえいえそんなことはありません。

これまでご紹介してきたように、経年変化を楽しめる素材を使ったり、DIYで自分なりの改装を加えることで、味のある空間にすることが可能になります。

それに、ビルは窓を大きく取られているものが多いので、そこから見える景色も楽しみの一つになります。

 

今回は、ビルリノベの風景②でお話していた、「窓」についての続編です。

不動産の仕事をしていると、「どの物件も世界に一つ、同じものは一つとして無い」 という事を聞きますが、それはその敷地のある場所や広さの条件が

全て異なっている、ということ。そうであれば当然、その世界に一つしかない敷地の上に建てた建物の窓から見える景色も変わってくるはずです。

 

建物や住まいそれぞれにある、その場所ならではの景色。

この建物ならではの景色は、出窓から見るこの借景ではないでしょうか?(上の写真)

 

建物の南側には、道路をはさんで向いに企業の本社工場があり、敷地内には工場で働いている方が休憩するための緑地が取られています。

この緑地、道路を挟んでいるとはいえ、この家の出窓から覗くと、部屋の高さと出窓から見下ろす角度が丁度良い具合に重なって、

まるで自分のための庭のように眺めることができます。

 

夏の暑い時期に撮った写真ですが、青々とした芝生の緑地があるだけで、何だかとても爽やかな景色。

 

工場の敷地なので、当然その整備は工場の方が毎日せっせとされています。

美しく整備された庭なのに、手入れの必要のない「借景」。うらやましい限りです。

 

そしてもう一つの風景が、屋上に上がると見えるこの眺め。(下の写真)

京都市内では、法令によって高さ規制がかかっているので、高い建物が建ちません。

それに、古い建物が残っている地域も多いので、そんな地域では3階建てぐらいでかなり良い景色を得ることも出来ます。

 

このビルを初めて訪れて屋上に上ってみた時に感じた解放感。気持ちの良い風も吹いていました。

この景色が自分だけのものになるなんて、とても贅沢に感じます。

 

今回は、建物から見える景色についての話でした。

ビルでも、マンションでも、木造の二階建でも、それぞれ見える景色が違います。

景色に注目して住まいを探してみると、思わぬ発見があるかもしれません。

 

夏の終わりの小さな入道雲が点々と並ぶ空に、遠くの山の緑が映える↑