通り庭と光

もとの家にも設けられていた空間を尊重したプランを採用した通り庭。

玄関からまっすぐ伸びる通り庭の先は、庭へと視線が抜けていきます。通り庭の上部に付いた高窓からは光が差し込み、家の中へと明るさをもたらしています。

LDKと通り庭はガラス戸で区切られることで、光を通しつつ、空間同士のつながりが感じられます。

この通り庭の土間は、表側は玄関として使い、奥側はライブラリーなどとしても使える余白の空間。庭を眺める位置に机を置き、書斎のように使っても。

大和天井と火袋

この家には1階に畳敷のリビングを作り、ダイニングにも腰掛けられるベンチを設けるなど、「座る」高さに目線を下げています。

2階を支える梁が現しになった大和天井は、天井裏を設けないことで居室の天井高を確保する、という合理性も兼ね備えた作り。また、1階の居室全体を大和天井にすることで、空間の連続性が生まれています。

低い天井の横には火袋を設けた通り庭。家の中で、天井の高さにメリハリを付け、変化に富んだ飽きのこない空間が楽しめます。

床の間のある和室

2階にある3帖の和室には、床の間を設けています。磨き丸太の床柱、縦の線が連なる障子の建具、中塗仕上げの壁と、町家ならではの和の雰囲気が感じられる仕様となっています。

3帖と最小限の広さではありますが、日本文化である着付けや茶道など和の趣味を楽しむことも。ゲストルームとしても使えそうな空間です。

長く愛される老舗のある
北野商店街界わい

千本中立売の交差点近くは昭和の初めごろに「西陣京極」と呼ばれ賑わいました。今も近くにその名前が残り、昭和レトロな趣が感じられる喫茶店や居酒屋さんが見つかります。

北野天満宮の前から伸びる「北野商店街」は最盛期には「西陣の台所」として、多くのお客さんが行きかったといいます。今も残る老舗の名店は、京都の豊かな食文化を繋いでいます。

また、京町家も多く残る界わいなので、日々の暮らしの中で京都らしい風情に出会えます。