Hello! ろおじ
― 路地再生・活用を考える ―
京都のまち中を歩けばたくさん出合う“ろおじ”こと路地。
路地の活用や再生の
取り組みをご紹介します。
路地が担う京都のまちづくり
かつての京都のまちには通りに面して店(大店)を構え、碁盤の目の通りに囲まれた中央には空地ができ、そこに小路をつくって家などが建てられました。
ろおじ(路地)にはそこに住まう人たち独自のコミュニティがあり、京都らしいまち並みや文化を形成するのには欠かせないものとなっています。
しかしながら、防災面などにおいて安心して暮らせるとは言い難い路地が多数あり、京都のまちづくりの課題の1つとなっています。
Discussion
- 京都市都市計画局
まち再生・創造推進室 密集市街地・細街路対策 - 課長 浅田 毅 担当係長 塚本 剛亘
- 株式会社八清
- 取締役会長 西村 孝平
Issue
路地再生・活用に当たり立ちはだかる問題点とは
どういったことがあるのでしょうか。
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建物の空き家化
全国で問題になっている空き家はまち中の居住地にある路地でも見受けられます。荒廃し危険な状態でも、所有者の高齢化や所有者特定が困難な場合もあり、解体や売却などが進まないケースもあります。
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建物の老朽化
路地中の建物は道幅が狭いなどの理由から法律上、建て替えや大規模修繕が難しく、自治体と協議し合法的に建て替えができるよう検討を重ねているケースもあります。
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再建築不可
建築基準法で決められた道路に敷地が2m以上面していなければ、家を建てることができません。路地の中に建つ建物のほとんどが、非道路に面しているので、再建築不可に該当しますが、条件を満たせば許可されることもあります。
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災害時の避難経路の確保
災害が起こった際、建物の崩壊などによりいつもの道がふさがれた場合に備え、避難経路の確保が必要となります。
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私道の管理
路地はほとんどが私道であることが多く、その管理は所有者に委ねられています。修繕をする場合などは所有者に合意を得る必要があります。
Case Study
八清でのこれまでの取り組みをご紹介します。
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43条第2項第2号許可
あさひ長屋
子育て世帯が安心して暮らせる住環境を
再建築不可の袋路2本を繋いで、特例許可の手続きを行い、新しく子育て支援住環境を整備しました。長い間放置されていた空き地に2方向避難などの安全性を確保し、新築の長屋を建築。子どもが安全に遊べる路地に生まれ変わりました。
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連坦建築物設計制度 新築
京つむ木
避難通路を確保し新築京町家を建築
行き止まり路地のため接道要件を満たさず、再建築ができない路地奥の空き家を所有者様からの相談がきっかけで買取り、裏側路地との間に避難路をつくり2方向避難を確保、連坦建築物設計制度を使い分譲住宅(新築京町家)を建築して販売しました。
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再生
コワーキング∞ラボ 京創舎
コワーキング&シェアオフィスに
老朽化した路地奥の長屋について所有者様から相談を受け、立地の良さやトンネル路地を抜けた趣ある雰囲気から、長屋の壁を抜いて一体の空間をコワーキングスペースとシェアオフィスに改装。当社で運営も行っています。
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再生
さらしや長屋
空き家と路地コミュニティの再生
4軒長屋を子育て世帯に向けた賃貸住宅として改装。路地空間を一体的に使えるように全戸を貫く縁側を設け、隣地側の路地の壁には黒板塗料で子どもたちが落書きできるようにするなど、路地コミュニティも確保した改装を行いました。
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新築
ゑびす小路
路地も作った新築京町家風賃貸物件
京都らしさを演出する石畳の路地と京町家風の家を新築した賃貸物件です。現代の暮らしに沿った間取りや設備で、ファミリー層を中心に入居いただいています。コミュニティが息づき京都らしい暮らしが楽しめる路地へと再生されました。
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再生
「京町家×石畳」町並みプロジェクト
京町家に隣接する路地を石畳に整備
京町家改装の際に隣接する路地(私道)も石畳に整備し、京町家の再生とともに京都らしい風情ある町並みづくりを目指す取り組み。
Method
再建築や大規模修繕を可能に
するための方法の一例です。
連担建築物設計制度
建築しようとする敷地に、すでに建物が建っている別の敷地を含めてひとつの敷地とみなし各建築物の位置及び構造が安全上、防火上、衛生上支障ないと特定行政庁が認めるものについては、複数建築物が同一敷地内にあるものとみなして、建築規制を適用されます。
01
建築基準法第43条
第2項第2号の許可
建築物の敷地は、原則として建築基準法上の道路に2m以上接しなければいけませんが、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて建築審査会の同意を得て許可したものについては、再建築可能となります。
02
ROJI LIFE
八清のWebマガジンで公開した路地についての記事を集めました。
CONTACT
路地で物件(不動産)をお持ちの方、処分や活用を検討されている方、ぜひご相談ください。
当社では「京都市地域の空き家相談員」が3名、「京町家相談員」が4名在籍しています。