fikaso#02 居心地のよさは開口部のそばに宿る(2014年)
当時の面影を残す外観はできるだけそのままに、
この度「fikaso」シリーズ第2弾として新たに生まれ変わりました。
今回のテーマは「居心地のよさは開口部のそばに宿る」。
特に庭に面した開口部に焦点を当ててみました。
この家はとても狭いということもあり、以前の所有者によって
増築が行われ、庭はすっかり姿を消していました。
それにより1階奥の部屋は真っ暗で陰気。
狭くなるけど、やはりここにもう一度庭を取り戻したいね、
というところからプランニングがスタートしました。
北・東・西と三方が隣家に囲まれている、この庭は暗がりに
天から明かりをもたらす貴重な“光源”です。
そこでこの庭を「光ル庭」と呼ぶことにしました。
その光ル庭に面して、珈琲のおいしく飲める居心地のいい空間を、
というのが、この家のメインコンセプトです。
光ル庭に差し込む光を全て取り込むのではなく、
敢えて開口部を低く絞ることで、濾過された上質な光が
柔らかくリビングに差し込んできます。
広くもない。
明るくもない。
居心地のよさというのは
こういうところに転がっているものです。
ここで珈琲なんて飲んだら
きっとうたた寝してしまうことでしょう!