片側5斜線もある中心部のメインストリート五条通。
その五条通から、見落としそうなぐらい細い路地を入った奥に平屋の町家があります。
今回のA様は空家で所有されていた町家を改装し、借家として貸しに出されることになりました。
無事に入居者も決まったところで、お話しを伺ってみました。
Q.どうして改装しようと思われたのですか?
路地の奥のこの建物はとにかく古くてボロボロだったんです。
手入れもしていませんでしたから・・・
僕はこの辺りで生まれ育ったのですが、小さな頃からこの家はあったので昭和初期であることは間違いないですね。
特に傾きがひどくて。見て分かるぐらい傾いていたんです(苦笑)
ただ、路地の奥ですし、一度潰れてしまったら建替えができないことを聞いていたので、何とかしたいとずっと思っていました。
Q.今後どのように使われますか?
これまでは倉庫として使っていましたが、将来的本来には、僕らが老後に暮らしていく家だと思ってました。
なので、潰れてしまったら建替えが出来ないというから早くなんとかしたい気持ちはずっとありました。
ただ倉庫として改装するなら、将来住むことを考えて改装しようかと・・・。だから、当初は人に貸すようなことは考えてなかったんです。
それが改装を計画していくうちに、改装したのに空けておくのももったいないなぁと思うようになりました。 そんなとき、ハチセさんから賃貸という利用方法をご提案頂いたんです。
Q.実際に出来上がっていかがですか?
あれほどボロボロだったものががよくこれだけ綺麗になるとは・・・、正直なところここまでとは想像してませんでした。こんなに綺麗になるんですね!
Q.この改装へのこだわりは?
A様:ほとんどが担当の藤井さんにお任せでしたけど(苦笑)
さっきも言いましたが、僕の生まれた頃にはすでにあった建物、つまり昭和初期ぐらいのもの。僕はできるだけ今の雰囲気を壊さず、そのまま残したいという思いはありましたし、外観もほとんど変えず、使えるものは使いたいと考えていました。
工務担当者:小さいですが、庭も取れましたしね。
おじいさんが大切にされていた蹲(つくばい)がかなり存在感を示してますけど(笑)
A様:本当に小さくて・・・、それでも狭くとも庭、と言えるものが欲しかったですね。狭くて、蹲が余計に大きく見えます(笑)
工務担当者:今回は、借りられる方がメインではなく、将来的にA様ご夫婦が住まれることを想定した間取にさせて頂きましたね。それと、将来お二人が住まわれるときに、簡単なリフォームで済むように、塗り壁ではなくて壁紙などで対応させてもらったりはしています。
A様:そうなんです。始めはワンルームのようにしようとしてましたが、将来のことを思うと、少しでも畳が欲しいと思いましたので、3帖の畳スペースを作ってもらったり・・・。平屋なのでスペース的に狭かったのでロフトも作ってもらったり・・・。
小さくてもいかに住みやすく、使いやすいものにするかを考えてきましたね。
Q.賃貸利用としてのご提案についてはいかがですか?
A様:思ってたよりすっと決まりましたね。
急いで決める必要もなかったのですが、ハチセさんのホームページに出してもらってから、一月しないうちに決まったのでよかったと思ってます。
実は賃料設定は、営業担当さんにご提案頂いたのよりも、少し高めで出すことにしたんです。 お風呂も綺麗ですし、キッチンも大きいし、身内からはもう少し強気でいける!とはっぱをかけられたりも(苦笑)
家族の中には、せっかく綺麗に直したのに、自分たちが一番に使わないのはもったいない! という声がありました。 ・・・でも空けておくのもねぇ・・・と。
営業担当者:実は我々も驚いています!町家と駅前の利便性のポテンシャルは我々の想像以上でした・・・(苦笑)結果的に高い収益性になりよかったです。
それと、今回は、将来お二人が住まわれることを想定し、賃貸募集の条件を「定期賃貸借契約」という期限付きの契約でご提案させて頂きました。
A様:「定期賃貸借契約」は言葉では知っていましたが、具体的なことはわかりませんでした。でも将来の僕たちの使い道を考えると良い選択だったのではないかと思っています。
営業担当者:町家に住まわれたい方は、本当に千差万別でバラエティに富んでいて面白いですね。A様のケースでは、途中から貸す方向になりましたが、改装前から相談、改修、賃貸募集、契約、管理、と全てハチセでフォローさせて頂いたケースとなりました。
これから、他の利活用をのぞむオーナーの方へもアピールができそうです。
DATA
- 所 在
- 京都市下京区
- 用 途
- 収益賃貸用
- 間取構成
- 1DK・ロフト(倉庫として使っていた町家を改修することに。設計・仕様決めに参加されました。)
- 特 徴
- 大通りから路地奥に入った再建築不可の平家建ての利活用事例
A様、ご協力ありがとうございました!
京町家に住まれるきっかけは?
営業担当者:そういえば、A様は、以前に私たちが主催した「手作り灯り教室」にご参加頂きましたよね? あの会場もリノベーションした京町家だったのですが、ハチセとのかかわりはそのときが始めてだったのですか?
A様:そうですね~、確かに灯り教室に参加してました(照)
それまでにも、世間では町家が取り上げられていましたしどんなものか興味があったので、町家のレストランなんかにも行ったことがありました。
当初はなにも考えてなく、町家がどんなものか興味があってただ見に行ってただけだったんです。
そしたら、家のすぐ近所に町家を改装したものがあるのを聞いたので、見に行きました。
それがハチセさんだったんです。 そうそう堺町万寿寺のモデルハウスも見に行きましたよ。
始めはこの建物を改装するようなことは考えてなかったんです。
実は他所でも改装プランを出してもらったことがあったのですが、洋風の外観のプランが出てきて、しっくりこなくて・・・。
仕事柄でしょうか、基本的に和風の感じが好きなもので。今のお店も町家なんですけど、改装するときはハチセさんのことは知らなかったので、よそでお願いしたりもしてましたし。