お住まいになられてからの住まいの様子をお伝えする「オーナーズボイス」。
今回訪れたのは、京都市さんと共同してプロジェクトを行ったリノベーション住宅「エコ町家」。風情を残しつつも、低エネルギーで快適な住まいを作るために、太陽光発電やエネファームを取り入れたり、断熱性を上げるための新たな施工方法を行ったりと改修に工夫をした京町家です。
このプロジェクトでは改修を行った町家の居住性能を調べるために、お引渡し後にお住まいの方への聞き取りをお願いしています。
今回は、その聞き取りの訪問の際に私たちも同行させていただきました。この家でひと夏を過ごされたH様ご夫妻へのインタビューです。
この家の夏の室内温度についてはどのように思われましたか?
(ご主人)
夏の一番暑い時期以外では、空気を通すために、日が落ちて涼しくなってから窓を開けていましたよ。開けているだけでも南北方向へ風が通るので、結構涼しかったですね。
あと、火袋の天窓を開けると風通しがかなり良くなりました。もう夏の終わりごろになって気付いたのですが(笑)来年の夏は開けて風を入れるようにしたいと思いますね。
夏場、エアコンはどのようにお使いされていましたか?
猫を2匹飼っているので、夏場は家に居ない時でも24時間エアコンをかけています。それでも、家全体でエアコン1台のみ。後は扇風機を補助的に使用しているだけです。東京のマンションの時と一緒のような感覚ですね。
断熱材が効いているのか、まったくエアコンを使っていなくても、外から帰った時にはひんやりしていることもありました。
そろそろ残暑もひいて気候が良くなったので、エアコンは使っていないですね。(取材は、9月下旬に行われました)
エネファームや太陽光発電は効果を実感されてますか?
(奥様)
電気代は確かに安くなってますよね。でも、エネファームはちょっと効果がわかり辛いですね…(苦笑)
HEMS( Home Energy Management System/ヘムズ )についても、発電量や売電量を時々見て確認していますよ。
(京都市の方より)
エネファームはお湯を作る時に発電するので、お風呂にお湯を溜める時が最も発電量が増えるんです。これから冬にかけての時期には効果が見えやすいかもしれませんね。
お庭に綺麗な松が植わってますね。…と思ったら盆栽ですね。
(ご主人)
そうなんです。以前の家に住んでいた時から育てていた盆栽で、この家にも持ってきました。盆栽って、何年も手をかけて育てるものなので、いまから手を入れていっても、おじいちゃんになるくらいになってようやく綺麗な形が出来るみたいなんです。
この盆栽も、時間をかけながらゆっくり育てていくつもりです。
階段の下にある棚は、新しく作られたんですか?
(ご主人)
完成までにだいぶ時間がかかっていて、奥さんには少し呆れられているんですけどね(笑) 2階の一室を工作室として使っていて、この棚は自分でちょこちょこと休みの日を使って作っているところです。これから、溝を作って、引違の扉を2枚付けたら完成しますよ。
・・・お話を伺って(担当:K)・・・
今回のインタビューでは「暑さ・寒さ」などの快適性について質問があり、いつもと少し趣向が変わっていて、興味深いお話を聞くことができました。
京都の盆地特有の夏の暑さは、特に他府県から移り住む人にとっては、なかなか厳しいものだと言われます。ですが、ひと夏をここで過ごされたH様ご夫妻に話を伺うと、この家の中で過ごすことについては、暑さがあまり気になtっておられないことに驚きました。特別にたっぷり入れている断熱材の効果かもしれません。
ご主人様がDIYで棚を作ったり、盆栽を育てたり。趣味を楽しみながらこの家で過ごされているご様子に、これからもご自分達のペースでこの家での生活を充実したものにされて行くのだろうな、という予感がしました。
DATA
- 所 在
- 京都市下京区
- 家族構成
- ご夫婦、猫2匹
- 間取構成
- 4DK+ロフト(改装済の物件をご購入いただきました)
- 居住暦
- 3ヶ月
- 特 徴
- 断熱材や太陽光発電を取り入れた、省エネ型町家 ( 改修時のプロジェクトページへ≫ )
H様、ご協力頂いて、本当にありがとうございました。
この家の夏の室内温度についてはどのように思われましたか?
(ご主人)
そうですね…あまりこれと言った印象がないんですが(苦笑) 強いて言うなら、1階と2階で比べたら、2階の方がやはり暑かったです。熱気がこもっているのは2階でしたね。
この家に住むにあたって東京から引っ越してきたのですが、東京のマンションで住んでいた時の季節感とあまり変わりませんでした。京都の夏は暑いということを色々聞いていたし、暑いだろうな、と覚悟していたんですが。
夏の間の日中は、東京でもそうしていたように、窓を閉め切ってエアコンをかけていましたね。