北白川の家には、古い味わいのある照明が使われます。
照明を仕入れたのは、竹屋町通りに面してお店を構えるヴィンテージ照明のお店「PARABOLA(パラボラ)」さん。このお店では世界中から集められた年代物の照明が取り扱われていて、安全性に問題の無いように修理がされ、販売されています。
取り付ける照明は設計士さんが事前にお店で選ばれていたので、この日は品物を引き取りに伺いました。
扉を開けると、店内にはさまざまな形や大きさの照明器具。一つ一つに温かみのある明かりが灯されています。年月を経て風合いを増した照明器具はそれぞれに個性があって、どんな場所で使われていたのかを想像しながら見ていると、興味が尽きません。
そんな店内の机の上に、この日引き取る品物が準備されていました。使用場所によって線の長さや取付け金具が調整されており、店主の大西さんがひとつひとつ手に取って、説明してくださいます。
その中の一つに、アームの部分が陶器、シェードの部分が青みがかった乳白色のガラスで出来た小ぶりな照明がありました。今まであまり見たことのない質感の照明。どんな光り方をするのかを実際に見せていただくことに。
電気を点けていないときは、シンプルな白いガラスなのですが、スイッチを入れると、乳白色のガラスがやわらかな印象の明かりを灯します。
白い照明は、洗面室に取り付ける明かりとして使われます。
その他にも、緑のシェードが可愛らしい大きめの照明は、玄関の軒先を照らします。
どれもヴィンテージの照明で、丁寧に修理された貴重なもの。壊れないよう、大事に扱いながら受け取りました。
PARABOLA / パラボラ
京都市中京区夷川通高倉角天守町742インテリア稲井ビル1階
Tel. 075-255-1788
http://prbl.jp/
営業 13‐20時 火・水定休
PARAVOLAさんで照明を受け取った後日、現地に器具を搬入して取付位置が確認されました。
脚立に登り、照明を取り付ける場所に当てながら、遠くから見たり、近くで見たり。
「あと5㎝下げてみてください」
「建具のこの部分に下端を合せる位置で。」
少しずつ位置を変えながら、照明の取付けについて確認が進みます。
一つ一つの器具そのものは、どれも個性的な形や質感を持ったものが選ばれています。それなのに、取付け場所に当てられるとどの照明器具もその場所にしっくり馴染むから不思議。
安井先生がこれまで手がけられた家の写真を見せてもらった時にも、古いものの持つ美しさを引き出しながら、それを活かされている空間が印象的でした。
居心地の良いように、バランスを取って作られた空間は、素材の仕上げを吟味し、古いものが入り込む余地を持たせながら、完成に向けて工事が進んでいます。
↑玄関の軒先に付ける照明位置の確認