2010.11.24 更新
探す?作る?建具の話
改装の打合せ時には、廊下に面したドアや、浴室等の水廻りの入口のドアについても話が出ていました。
壁、天井は白色、床はコンクリートの灰色になる今回のビルリノベのシンプルな空間では、建具もインテリアの重要な要素になります。
既存のものを見てみると、写真上部の真ん中の板チョコレートの形をした茶色のドアは少し加工すれば味が出て良い雰囲気になりそうですが、
写真左側の浴室入口に付けられた、白くてのっぺりとした既製品のドアは、何となくこのリノベーションプランでは浮いて見えてしまいそう。
写真右側のガラスが嵌められ、赤く塗られたドアは、また少しテイストが違っています。
お客さんが建具に考えているのは、無垢材で味のある扉を付けたいという希望。
イメージする建具の写真を何枚か見せてもらうと、右のイラストで書いたような無垢の木を鋼製の金具で留めた作りの扉でした。
ちなみに、イラスト左側の扉は、ハチセが改装する現場の解体の時に出てきたもので、かなり味のある雰囲気が出ていました。こういった建具はなかなか出てきませんが、探そうと思えばあるということ。
イラスト右側の扉は、インターネットで探して来られた写真を見て書いたもので、扉の裾には汚れや雨除けに金属の板が付けられています。
このような金具を使った木製建具、日本ではあまり馴染みがありませんが、ヨーロッパでは教会の入口の重厚感ある扉などで見かけられます。
中には、金具で草花の模様や幾何学模様を書いてある装飾的で面白いものも。
今回はシンプルな作りなので、当初はDIYで扉を作る事を考えられていたそうですが、設計士さんや工務店さんに話を聞いていくと
「作るのはけっこう難しいかもしれませんよ。」
「作ってみると扉がものすごく重くなるかもしれないですよ。」
「手本になるものがあるのなら、それを補修して使うのは?」
「今ある建具の上に板を打ち付ける方法が、一番簡単かもしれません。」
などなど、使い勝手や作る時のことを考えて、いろいろなアドバイスやアイデアが出されています。
自分で作るとすれば、最終的にはお客さんの手間がかかる作業になります。
「今回の打合せでは保留にして下さい。また現場が進んで行った段階で決めます。」
とのお客さんの今回の結論。DIYで作るということは、色々な手間と時間がかかるということ。
手作りならではの迷いと、空間を作っていく楽しみ。ハチセのリノベーションでは、できるだけお客さんの
希望や思いが叶えられるよう、空間作り、家づくりをサポートしています。