設計物語
植栽の打合せ
2010.06.3打合せ①
今回の打合せは、大降りの雨と雷の中で行われました。
完成まであと1月を切った現場では工事も大詰めになり、 メンバーが集まると早速そこかしこで打合せが始まります。
右の写真では施工方法について確認を行っています。
次の写真は、植栽を見て打合せするメンバー。
今回は造園屋さんに来て頂いており、庭の打合せも行います。
庭の植栽は、南側の庭の日当りがよほど良いのか、植えられてからかなり大きく育っており、中には葉っぱがお隣の敷地まで伸びているものもあります。この庭のイメージが設計士さんから伝えられます。
「1階の庭は、見る庭というよりも外に出て歩けるような庭を。」
「2階の窓から正面に見える植栽は気持ちが良いので残しておいてほしい。」
など、庭にもこだわりのある仕上げとなりそうです。
「この大きな木は落葉して近隣の迷惑になっているから切って下さい。」
と言われたのは、路地を入ってくると正面に大きく育ったムクの木(全長7~8m)。造園屋さんによれば、
「これは庭木に使うような木じゃないですね。どこからか飛んできたものがここで育ったんでしょう。」
とのこと。そんな木がこんなに大きく育っていることに驚きます。
天窓
2010.6.17打合せ②
土間の上部とダイニングに設置予定の天窓。
天窓が開くと、なぜこんなに解放感が出るのでしょう?土間に小さく2つ設けられた天窓からは、打合せのあった天気の良くない日でも、外から薄く光が入って壁面を明るく照らしていました。
(写真左側)
写真の右側は、キッチンに設けられた横長のもの。ブルーシートをかぶっていて、青く写っているのが天窓部分です。
土間のモルタル
2010.6.3打合せ③
完成に向けてあわただしく作業の進む現場では、打合せの間も土間のモルタルを敷く作業が行われていました。写真は左側から順を追って、モルタルが敷きこまれていく様子です。
土間には温水式の床暖房が入っています。床暖房の発熱材の敷き込みが終わった後に、配筋の入った下地モルタルを敷きこんでいく、という段階。一番左には配筋された鉄筋が見えています。
真ん中の写真は作業をしている左官屋さん。長い棒のようなものを使って、表面が平らになるようにならしてします。
一番右は、左官屋さんが表面をならした後の状態。短時間のうちに、広い面積にモルタルが敷きこまれました。
表面がつやつやしているように見えるのは、「水が上がっている」状態だからだそう。
材料の重みによって、含まれる水分が表面に出てきているそうです。
この後、何度か表面を慣らす作業を行うと、このモルタル塗りは完成。
最終的には、表面に瓦が敷きこまれていきます。
フラッターレール
2010.6.3打合せ④
この日の現場で、小さいけれど重要な部品を教えてもらいました。建具の敷居の部分、レールに使われる部品です。
今回の改装では、DKと廊下との間に戸車の付いた5枚の引き戸が嵌め込めれます。
その引き戸を支えて、滑りを良くするのがこの「フラッターレール」とのこと。
普通の敷居はもっと幅が太くなるのですが、このフラッターレールは幅が狭く、スッキリとして見えるそう。細くて弱そうに見えますが、丈夫な竹で出来ていて、しっかりと建具を支えます。
「フラッター」と名前が付いているだけあって、写真に写るように使うと表面がフラットになり、つまづくこともありません。
(写真は簡易的に板を置いて、施工の様子を示したもの)
調べてみると、バリアフリーで考えられた住宅や施設に使われることもあるそうです。
あまり注目して見たことの無い敷居ですが、こんな所にまでこだわりの詰まった改装に改めて感心します。
掛け込み天井
2010.6.3打合せ⑤
大工工事の進む現場には、様々な木材が所狭しと置かれています。
その木材の中に、一つだけ変わった素材のものが置いてありました。表面はごま竹の四角い棒に見えますが、断面を見ると、表面だけが竹で出来ています。これはどこで使うのでしょう?
その使いみちを聞いてみると、答えは意外にも「天井」とのこと。
1階の4.5帖の和室は、天井が一風変わった「掛け込み天井」になります。上の展開図、平らな天井と斜めの天井の組み合わさった部分(矢印の先)にこの材料が使われるそうです。
平らな天井部分は、ちょうど天井板を貼る作業の真っ最中でした。大工さん二人がかりで網代天井を貼っています。(写真左)
写真右はその後天井を貼り終わった状態。細かな網代で落ち着いた色見の天井板が使われています。