設計物語
改装が終了した下鴨茶論の様子について掲載しています。
- 1.<完成後の様子>
完成後の様子
2010.06.20 完成見学会
瓦敷きの土間やラワンベニヤに塗られた茶色に、BAIANさんに生けていただいたグリーンが良く映えます。フィンガーマークスさんの雰囲気のある家具が置かれ、土間の使い方に想像がふくらみます。
入念な打合せを繰り返したLDKは、すっきりとした美しい空間に。天窓からの光と階段下の窓からの光で、改装前とは比べ物にならないほど明るく見えます。
改装前のオリジナルな空間を残した6帖の和室。天井や柱、建具、そして風格のある床の間が修復されて使われています。南向きの庭の植栽を望み、縁側からは光がやわらかく室内に入り込みます。
6帖和室の縁側は、アジアンテイストな庭の植栽や家具と建物の古建具の色合いが不思議とマッチしています。撮影時にはちょうどスコールのような雨が降って、緑がより一層鮮やかに見えました。
4.5帖の和室には、新しく「掛け込み天井」が貼られ、西向きの横長の窓が付けられました。南側の障子を開ければ趣きのあるお庭に出ることができ、障子を閉めると、ほんのりと明るく外からの光が入る、落ち着いた空間になります。
空間が広々と見える、リゾートホテルのような素敵な雰囲気の浴室。「十和田の青石」のタイルが貼られて、主張しすぎない落ち着いた青色が空間をまとめています。
2階の階段を上がったところから、洋室と階段室を見て。真っ白な壁には天然素材を使用した塗料、フェザーフィールが使われています。無垢のフローリングのナチュラルな空間に、電球色の温かみのある明かりが良く似合います。
2階の縁側は、壁を取り払うことで空間の抜けた、明るい場所になりました。
昔のままの建具や天井を残しつつ、新設した窓には既存のものに合わせた古建具を入れることで調和の取れた空間に。
京都の暑い夏には写真のように窓を一杯に開けて、賀茂川から吹く風で夕涼み、というのも趣きがあって良いかもしれませんね。
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「下鴨茶論」の改装はこれで一旦完成の形となり、この後この家はオーナーさんに大切に住まわれていくことになります。