2010.02.26打合せ ④<昭和レトロガラス>
続いては2階へ。1階よりも明るく感じるのは、表と裏に窓が大きく取られているため。2階の道路に面した側の和室は、2面がガラス張りの明るいお部屋。
窓を開けると、吉田山の緑の見える気持ちの良い景色が広がります。この家の中では、一番居心地の良いお部屋かもしれません。
この部屋の使い勝手についても、
「主寝室にしても気持ち良いかも」
「リビングを2階に持ってくる?」
といった意見が出ていました。
この家には、ガラスを使った建具が至るところに使われていて、ガラスには異なった模様が入っています。今ではあまり見かけられなくなりましたが、「型板ガラス」と言って、昭和30年~40年代に大量に生産されていたものになるそう。
ここで、この家に使われているガラスを一部ご紹介します。
1.古都…大きな四角、小さな四角がちりばめられた模様。「古都」という名前は、京都の碁盤の目の市街地から連想されたものでしょうか?
名前に似合わず、ポップな印象の柄です。この家では、2階のカーペット敷きの部屋の建具に使われています。
2.ソフト…いびつな○が連なった模様。ガラス越しにあるものの輪郭がぼやけています。もともと型板ガラスが使われるようになったのは、
目隠しをしながら光を通す、という目的のため。この家では、1階の廊下、2階の表側の窓に使われています。
3.からたち…枝にとげのある植物、からたちをモチーフに幾何学的にデザインしてある模様。この家では玄関の引き戸とランマに使われています。
4.梨地…梨の皮のようなツブツブした模様の付いた柄。この家では、2階和室の南面の窓に使われています。
隣の「ソフト」柄のガラスとは、向こうに写るものの見え方が少しづつ違っています。
ひとつひとつに柄が違っていて、模様ごとに名前が付いているなんて、昭和のモノづくりの細やかさと可愛らしさを感じます。