About
【1】スポット照明が照らす、舞台のようなリビング
織屋建の吹き抜けを生かした、天井高のあるリビング。灯篭の置かれた奥庭を舞台と見立てています。空間には、吊り下げ型の照明を付けず、スポット照明や間接照明を使うことで、庭に向かって視線が抜けるようにと計画されました。
【2】奥庭と光庭
二つの庭と窓から入る、空間に表情を与える日差し。居心地の良いリビングには、奥庭と光庭という二つの庭からの日差しが豊かな表情を与えています。奥庭からはもちろん、光庭に設けた大きな窓や高さの異なる小さな窓、さらには2階の天窓と、さまざまな位置から刻々と変わる日差しが楽しめます。
【3】舞台の桟敷席のような、2階ホール
リビング上部にある2階ホール。1階の灯篭のある庭を舞台に見立てれば、それを眺める桟敷席のようにも見えてきます。ここにはソファを置き、寝室とつながる第2のリビングとして使っても。
【4】リビング空間を断面図で見たところ
上下への動きを作る、壁面に設けた書棚。リビングの北側壁面には大きな本棚を作りました。本棚の前には高い位置にもアクセス出来るよう、キャットウォークを設けています。書棚に本を置いたり、飾り棚として使うことで、空間に上下の動きが生まれています。
設計 STUDIO NORD一級建築士事務所(ストゥーディオノルド)
2015年10月全改修済
Concept
家の中で一番長い時間を過ごすリビング全体を「舞台」空間としてとらえ、暮らしを楽しめるようにプランニングした住まいです。
周辺は、西陣織産業が栄えたころの建物がよく残る地域。家の面している道路の両端にも町家が残り、そのころの雰囲気を今に伝えています。
この家はもともと、織機を置いていた吹き抜けがある“織屋建”の建物でした。その吹き抜け空間を居心地の良いリビングにし、住まいとして再編成しています。