About
ここはかつて、旧東海道の宿場町だった滋賀県大津市。
滔々と水をたたえる母なる琵琶湖から、懐深く包んでくれる比叡山の山すそへ町並みが広がります。特に、宿場町であり、船着き場でもあった大津百町と呼ばれる付近では、今もなお古き町並みを目にすることができます。
今回の『〇〇と』シリーズ。キーワードは「もてなし」
旧東海道の町並みにたたずむ、 かつて茶屋としてお客をもてなしていたという町家にて。茶屋とは、寺社の境内や道端で往来する人に茶や菓子を ふるまった今でいう喫茶店のようなもの。水茶屋や料理茶屋などさまざまな形へ発展しました。
この建物には確かに、お客をもてなす空間だったことを思わせる丁寧な意匠が残り、古き趣きを存分に感じられます。
過去に茶屋として人をもてなしたように、ここに暮らす人が、家族あるいはお客をもてなすような間取や室礼を意識して造りました。
2017年8月全改修済
Concept
カウンター式のキッチンのすぐ隣に、洗面・脱衣・手洗い室。その先に浴室。集中させた水廻りで効率よく家事が行えます。
庭に面した広縁は用途さまざま。ソファでくつろいだり、子どもの遊び場に、書棚を置いて図書室にも。
庭の存在は、明るさ、暗さ、雨や晴れの気配を感じられ、四季の風景も身近なものとなります。建物の中心にあることで、室内へ心地よい風が通り抜け、日常の癒しとなることでしょう。