Story2_3木材のこと
山は定期的に間伐を行い、陽射しを入れて木の生長を促す必要がありますが
原木価格が間伐費用を下回るようになり、
木を切り出すだけで赤字が出るようになってしまいました。
そして次第に、森の管理が行なわれなくなっていったのです。
実はこれ、西粟倉だけではなく、日本の森全体に起こっている問題。
資源の使い過ぎに目が行きがちな今日ですが、
日本の森に限っては、使い過ぎではなく使わないことより危機を迎えています。
荒れた山では小さな木しか育たず、材木としてますます流通できない状態に。
日本の山々はそうした負の連鎖から抜け出せなくなってしまったのです。
森の学校さんが企画する間伐材を使った商品たち
間伐材の短い丈を逆転の発想で活かしたパネル式フローリング
ヘリンボーン貼りタイプのパネル式フローリング
そこで、森の学校さんが村と一緒に
取り組んでいるのが「百年の森林構想」。
村で出た木材や間伐材を安定した価格で流通させて森を再生し、
100年後の森と産業を守っていこうというものです。
森の学校さんは村と協力し、山の所有者に働きかけたり、
間伐材を使った商品の企画や独自の流通ルートの開発を行っています。
言葉にするのは簡単ですが、これは途方もなく壮大な計画。
ここまで来るのに8年以上の時間を費やされてきたそうです。
そして今回、森と町家の現場で使うのは、
そんな森の物語を背景に商品化された
間伐材を使ったパネル式フローリング「ユカハリ・タイル」。
フローリング板として加工するには短すぎる
未成長の間伐材を使ったパネル式のフローリング材です。
使えば使うほど森が再生する材を使い、
森の再生に寄与、ならびに美しい木目と肌触りが楽しめる
町家ならではの豊かな空間作りを行います。
お部屋について詳しくは次回へ...。