改装中⑧ 1月上旬・・・現地確認
年明け。1月に入ってからは工事の最終段階、仕上げの作業が本格的に始まります。
現地での打合せもこの時期になるとあまりされなくなるので、今回は作業の進み具合を確認するために現地を訪れました。
この日、建物の玄関を入った所の吹き抜け部分には足場が組まれて、職人さんが三人。
吹き抜けは1階から2階までを貫く空間なので、そこには大きな面積の壁が出来ることになり、そういった壁を塗る時は、
上の写真のように室内にも足場が組まれ、職人さんが足場の上を行き来しながら塗装が行われます。
今回塗られる壁は漆喰塗り。広い面積の壁は時間がかかりそうだなと思って見ていると、上の方から作業が始まって、
コテを大きく使いながらほんのわずかな時間で下の方まで壁が白く塗りあげられていきました。
職人さんの仕事の早さに驚きます。
漆喰塗りは一度壁材を塗った後、時間を置いて表面をならしていく作業があるため、これで完成ではありませんが、
まだ水分の残る白くツルっとした真っ白な壁面は、光を反射して明るく光っています。
今回漆喰塗りになるのは、室内では今作業されている玄関の吹き抜けと、明かりとりの窓があり、テラスに面した1階のリビングとダイニング。
現場には漆喰塗りの材料がたくさん作られ置かれていました。
「城かべ」と力強い文字がお城のイラストと共に書かれた袋の中には、漆喰のもとになる粉が入っています。
これに水を加えて練ると、もったりとした白い漆喰材が作られます。写真①
足場が組まれた吹き抜けを見上げると、足場越しに見える天井には丸と四角に切り取られた明かりとりの窓。
この吹き抜け空間の天井には、3つの明かりとりの窓が設けられています。模型で見ると、赤い矢印で示した部分です。写真②
窓と言えば、ちょっと可愛らしい小窓が2階の路地に面した側の洋室に開かれています。写真③
吹き抜けに面した壁側に、真四角に切り取られた小さな窓。
玄関の来客の様子を感じたり、玄関の天井に開かれた天窓からの光が漆喰塗りの壁にやわらかく反射する様子を感じたり。
小さな窓があることで、ささやかな空間同士の繋がりが生まれます。
最後の写真④は、路地に面した外観の様子。この外壁も、漆喰塗によって白く塗り替えられています。
オリジナルな外壁も漆喰で塗られており、長い年月によって茶色く変色してしまっていたのを一旦剥がし、今回の改装で漆喰を新たに塗り直しました。
漆喰壁の下に差し掛けられた下屋には新しく瓦が葺き替えられて、外観も着々と完成に向けて仕上げ工事が進んでいます。