Posted on Apr 30,2016
Vol.3 理念をあらわす言葉とテーマ
「不易流行」
“ふえきりゅうこう”と読みます。
これは2月に行ったワークショップイベントで、外部アドバイザーの瀬野氏に、急きょお願いしたパフォーマンスで書かれた言葉です。
「不易流行」とは江戸時代の俳人・松尾芭蕉が「奥の細道」の旅の道中で悟った芭蕉俳諧の理念の一つ。
いつまでも変わらないもののことを指す「不易」
時の流れと環境の変化により革新し続ける「流行」
言葉にすると背反する意味を持ちます。
しかし、この二つが根底でつながっていることを意味し、また、新しいものを取り入れていく行為こそが永遠に変わらないことである、ということを表しているのだそうです。
芭蕉からの伝聞や俳論がまとめられた『去来抄』という書物の中では、「不易を知らざれば基立ちがたく、流行を知らざれば風新たならず」と記されています。
かみ砕くと、「不変的な基本を忘れず、時流に乗り新しいものも取り入れる」ということ。
この理念は、仕事をする上でも、デザインやプロダクトなど何かを生み出す上でも欠かせません。
そして、京都は「伝統」と「革新」が融合しながら1200年の歴史を重ねてきた町。
古都の歴史に倣い伝統を重んじながら、常に新しいものを生み出す・・・まさに私たちのプロジェクトにぴったりの言葉です。
私たちのコワーキングスペースのテーマは「暮らし」。
”生活”つまり生きるための活動の基本は「衣」「食」「住」
この普遍の生きる活動に加えて、仕事や趣味、 さらには街や居場所など人が関わり、そこに嬉しい、楽しい、悲しい、などの感情がともない私たちの”暮らし”がつくられます。
このように広義に捉えた「暮らし」をテーマに
「暮らし」にまつわる仕事をされている人、
「暮らし」に興味がある人、
今の自分の「暮らし」を少しでも変えたいと思っている人、
「暮らし」をもっと楽しくしたい人、
何かにとがった「暮らし」を模索している人、
「暮らし」に面白い提案をしたい人、
などなど・・・そんな人たちが集まり、幅広い豊かな「暮らし」を協働し協創する場にしていきたいと考えています。
「不易流行」
私たちの創るコワーキングスペースが、伝統と革新を積み重ねた“京都”で新しい「暮らし」を創造し提案する空間となることを願いプロジェクトは粛々と進んでいきます。