Posted on May 31,2016

Vol.4 私たちが目指すスペース像

ストーリーVol3 不易流行

前回のvol.3では、私たちの理念「不易流行」をあらわす言葉と、このコワーキングスペースのテーマについてお話ししました。
今回はコンセプトへのこだわりと目指すスペース像についてお話しします。

ここ近年、日本全国に多くのコワーキングスペース・シェアオフィスがオープンしています。
京都でも大小さまざまな規模の施設が次々と立ち上がっています。
その競争に負けないためにも単純に施設として作るのではなく、八清の強みや特性を活かしたものを目指すことにしました。

ハード面では改めて説明するまでもなく“路地奥の京町家”をベースに。
オフィス街のビルや繁華街のカフェとは一味違う、住宅密集地(それも路地!)の築80年を超える民家を利用したオフィスです。
近所の庭木にとまる鳥の声や、風のざわめく音、五感で感じる自然の音に、集中力が研ぎ澄まされ、新しいアイデアが浮かぶこともあるでしょう。
そんなハード面の造り込みはご存知の通り私たちが得意とする分野です。
しかし造り込むのは、「単に居心地のいいワークスペースを提供する」というだけではありません。
ソフト面からとらえた時にこそ、コワーキングスペースとシェアオフィスのとしての肝が現れます。

それは、人と人とのつながりが前提にあるということ。
人が人を呼び「個」が「輪」になる。
その形成されたコミュニティから新しいアイデアが生まれる
、往々にしてコワーキングスペースやシェアオフィスに求められる重要な要素です。

そしてこの施設の大きなテーマは「暮らし」
当初、プロデューサー高橋の頭の中にある「暮らし」をテーマとする意味がメンバー内でもなかなか想像がつかず、意図をつかむことができないまま、もやもやしたものがありました。
しかし、そのもやもやを取り払うきっかけになったのが前回の図。

あの図を見た瞬間、「あぁそうか!そういうことか!」 と納得がいったものです。

八清の経営理念には「住まいの創造を通じて、心豊かな暮らしを提供し、お客様を感動させること」という一文があります。
八清の本業は「住」に関わる部分ですが、「暮らし」自体は「住」のみでは成り立ちません。
つまり、住まいの提供にとともに、居住者には「暮らしを楽しんでほしい」そういう思いがあるのです。
「住」関係の仕事といえば単純に、設計士やインテリアコーディネーター、空間デザイナーなどを思い浮かべます。でも、今回求めているのはこのように具体的に「住」に関わる仕事をしている方ばかりではありません。

仕事でも趣味でも「衣食住」のみならず様々な切り口から「暮らし」を捉え、それを面白いものにしていきたい意識のもと、積極的に関わりを持っている人、今後持ちたいと考えている人など。
このように「暮らし」をテーマに異なる環境の人が寄り合い、これまでにない刺激を受けて新たな気づきや考えが生まれ、「暮らし」をよりよくするために、そして「住」もさらによりよくするために様々な人とこの場所を創り上げていきたいのです。
以下の図が、私たちのスペースの“在り方”を表します。

既成概念に囚われない自由な発想。環境や職種、能力が異なる人が集まり、互いに刺激し合うことで生まれる新しいアイデアやプロダクト(=創発)に大きな期待を寄せています。
特に、起業される方、スタートアップの方にはここの空気感を作ってほしいと考えます。

そして、ワークショップやイベントに参加した人が、このスペースに興味を持ち、
あの場所からあんな面白いことが生まれたんだ!そんな場所で仕事をしてみたい!関わりを持ちたい!と思われるような場所を目指します。

そして、それを後押し、応援することは八清の仕事でもあります。

働く「場」であり、創る「場」
人と人のコラボレーションで造る「暮らしの創造空間」、そんなスペース作りを目指します。