5月末、完成を目前に控えた現場の様子です。
エシカルハウスでは、室内に土壁や土間など自然素材を積極的に取り入れながら蓄熱システムをはじめとした自然エネルギーを上手に活用することで機械設備に頼りすぎない仕組みを考えています。
(火袋を見上げて)
室内に入ってまず目に飛び込んできたのは、様々な長さの杉板が張られた美しいドマ(リビング)の壁。
自然素材は、そのものが調湿などの役割を果たすだけでなく、柔らかな手触りやぬくもりを帯びた色が表情が住む人の心を優しく和ませてくれます。
ランダムに張られた木々の凹凸は、壁に不規則な陰影を映し出し、季節や時間帯によって違う景色を生み出します。また、年を経るごとに変化していく色や表情も、自然素材を使った家の楽しみの1つです。
室内は大工工事ならびに塗装が終わり、吹き抜けのリビングでは左官屋さんが土壁塗りの作業をされていました。
ベンガラで塗装された梁をビニールで養生し、バケツに予め用意された土を手板に乗せ、コテへと少しずつ移しながら壁を塗り上げていきます。
今回採用される土壁は中塗りと呼ばれる仕上げで、
この時施工されていたのは3層に重ねられる一番下の荒壁部分です。
下地とはいえ、施工された壁を見ているとその素材感や丁寧な手仕事が生み出すものの美しさを実感させられます。
天井は高く、見上げると頭上に2本の太い登り梁を見ることができます。
水と藁を含んだ土は非常に重く、不安定な高所での作業は想像以上に大変なものです。
リズミカルに並ぶ太い梁に目を奪われるゲンカン(中央の部屋)とミセ(道路側の部屋)。
畳に座った人とリビングやキッチンに立つ人とが、ちょうど目線が合うように設計されています。
中央にはゲンカンと土間リビングをまたぐダイニングテーブルを作りつける予定です。
家の一番奥に設けられた明るく真っ白な水回り空間。
庭を眺める浴室は、ゆったりと足を延ばして寛ぐことができる広々サイズです。
4つが連なる洗面室のミラーは背面が全て収納になっており、増えがちな生活小物をスッキリと収納することができます。
洗濯機置き場の向かいには庭への勝手口が設けられ、生活導線も抜群です。
勝手口の透明なガラス扉を通して取り込んだ陽射しをミラーや白い壁に反射させることで、たっぷりの明るさを保ったエコロジカルな空間となっています。