2012年 1月 下旬 (曇) | 打合せその① @ハチセ本社3階 | 持ちもの:設計図面、メモ帳、筆記用具
Page2 プラン打合せ ~テラス~
アトリエの隣
アトリエは玄関を開けた所に作られるテラスから入ります。
アトリエの隣にあるテラスには広めのスペースが取られ、人を迎え入れる役わりだけでなく、土間敷きの上で例えば水を使ったり、木くずが出たり、少し汚れるような作業をする時に活躍しそう。行き来もし易く、ここで作業することを考えられたプランです。
外と繋がる場所
そんなテラスの屋根は、全体にガラス葺きが考えられています。晴れた日にはガラス屋根を通して南からの明るい日射しが射し込みます。
外からは中の様子が見えないよう配慮されていますが、空が見えたり、日射しを浴びたり、外の気温の変化や季節の変化を感じられ、家にあると心地よい空間。植物を並べても良く育ちそうです。
空間の四方は全て壁で覆われているのではなく、一方は途中まで立ちあがる塀になり、上部の方だけ外に向かって開けているので、屋根はかかっていますが、外のような雰囲気に。たまには近所に住んでいる猫が塀の上を通り過ぎたりするかもしれません。
玄関に作られる収納の上には作業用のものを置いたりすることの出来るカウンターを設けます。人が多く集まって、アトリエだけでは収まらない時にはこのテラスに席を作っても。
テラスに作られるカウンターの上には料理を並べたり、飾りを置いたり。
小さな棚があると、ちょっと暮らしが楽しくなる。この感覚はおもてなしウサギの家に通じるところがあります。
秘密の戸
玄関カウンターの隣には秘密の戸。これは、打合せの途中で追加されたプランになります。
実はこの戸を開けると、洗面室に作られた水栓を、テラス側からも使えるようになるのです。普段は閉めておいて洗面として使い、テラス側で水を使いたい時には戸を開ける。
わざわざ2つ水栓を作らなくても良いですし、使わない時にはテラス側がすっきりと見えるようなアイデアが隠されています。
…プランニングのウラばなし…
色々な用途で使い勝手の良さそうなテラスは、玄関の位置を変更することで実現しています。もとはガレージの作られる北側から入る玄関があった家ですが、敷地が角地であることを生かして、敷地のもう一方側が面する西の道路から入る玄関に。
建物の周辺は静かな住宅街といった雰囲気。今まで道路に面した壁だった場所に玄関戸を設けるので、道路の車通りが多いと少し危ないかな、と心配だったのですが、前の道は車通りもあまり多くない静かな場所なので、玄関の位置を変更することに。
玄関の位置を変更する時には、目線の入る位置も変わるので、玄関を開けた時に家の中が丸見え、ということのないように、設ける位置にも気が配られました。
例えば、お向かいの玄関のまん前に玄関戸を設けると、タイミングが悪ければ玄関を開けた時に目があったり、お向かいの家を覗いてしまうような形になるので、あまり気持ちの良いものではないですよね。
こういった細かい気配りは日常の中ではあまり気が付かないところではありますが、この家で気持ち良く暮らしていくためには、やはり必要なこと。細かい所までじっくり考えられています。
女性のための家をコンセプトにしているので、危なくないように、気持ち良く暮らせるように、という感覚的な配慮がプランニングには欠かせません。こういった所に、女性の設計士さんならではの細かい気配りを感じます。
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