京町家再生プロジェクト 大正ロマン壱号

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応接間は格式がキーに 格天井とは?寄せ木張りの床とは?

ロマン新聞四月九日号 写真

外観に続く、内の最重要項目、応接間。 大正後期から昭和初期にかけて、和風住宅に洋風建築を加える住宅が全国的に数多く建てられた。当然京都の町家などの和風住宅にも洋風のテイストが加わるようになるが、その代表格が応接間である。大正~昭和初期の当時、応接間を作るということは一種のステイタスの表れであり、重要な客をもてなす、格式の高い場である必要があった。このような形で、和風に洋風が取り入れられるようになると、生活そのものも一気に西洋化していくことになるのである。 最重要項目である応接間は、「大正ロマン」そのものを現わす非常に重要な部屋。メンバー全員熱い思いの中、長時間に渡ってその仕様について話し合われた。

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まずは天井。洋館や応接間で見かける天井は大きく分けて二パターン。一つは、天井(場合によっては壁も)が漆喰で白く塗られ、角の取りあいの部分にモール加工が施される様式。クラシカルな照明がよく似合う。このきめ細やかな細工で、西洋の神殿のような雰囲気を持つのである。

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相対するのは、日本の伝統的手法、格天井(ごうてんじょう)だ。(左上写真)天井の形式の中でも最上級の仕上げである。そんな格天井が、ステイタスの現れである洋風の応接間と組み合わされるところに面白さがある。 中で最も格式高いと言われるのが、取りあいの部分にアーチを描かせる「折り上げ格天井」。特に寺院建築においては天井板に色とりどりの絵や模様が描かれた豪華なものもあり、特に有名なのは、日光東照宮の拝殿、二条城の大広間一の間。これらは折り上げの中でも最上級の「二重折り上げ格天井」なのだとか。左下のアールを描いている折り上げの様子がわかるだろうか。今回は予算を考慮すると、細工の難しい折り上げには手が届かないが、それでも格式の高いとされる格天井でいくことに決まった。


続いて床。使用する床板一つで部屋の印象が大きく変わってしまうのでここも慎重に決めなければならない。単純に長さのある板を平行に並べるのではなく、格式の高い部屋に取り入れられてきた寄せ木の床を検討。その一つが、短い木片を縦横に組み合わせていく「パーケットフロア」(左)。まるで市松模様のようである。 そして、もう一つ、西洋ではその模様がニシンの背中の骨に似ていることから名のついた「ヘリンボーン」。日本では杉綾織り(すぎあやおり)・矢筈模様(やはずもよう)と呼ばれていたらしい。

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そしてもうひとつ重要なのは、その寄せ木の色味。ここでリーダー安田が真っ先に言いだしたのは、無垢のままの明るい色でも無く、こげ茶のようなダークな色でも無い、「昔の学校の教室の床」。使い込まれた深みを増した色合いが欲しいと主張。イメージするのは左写真のような少し赤みがかった温かい印象の色味。他のメンバーもうなずき同調する。すると、ソファやテーブルを置く際に、赤や模様の入った絨毯を敷くのもいいのでは?など想像が膨らみ次々とアイデアが浮かんび、提案の応酬が始まる。そして最終的に寄せ木の組み方は、より高級感がでることを期待して、ヘリンボーンを採用することに決まった。


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応接間の床の色味は僕の一番のこだわり。昔懐かしい学校の教室の床、使い込まれたアメ色の床を・・・。でもヘリンボーンにすることで高級な雰囲気出せればいいなぁ・・・と、リーダー安田は話す。

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